2019年12月に中国・武漢で初確認され、世界に広まった新型コロナウイルス感染症。3年が経過し、世界は新型コロナとの共存、いわゆるウイズコロナの社会となりつつある。わが国でも現在、感染が拡大傾向にあるなか、かつてのような厳密な感染対策は行わない流れで、海外からの観光客誘致を図るため、水際対策を大幅に緩和。日本財団が18歳から19歳を対象に行った若者意識調査では、こうした水際対策の緩和に対して、8割が賛成している現状が明らかとなった。観光客の消費に伴い経済回復への期待感を示す意見が多く寄せられており、Gotoキャンペーンといった国内観光需要喚起策に関しても、同じく8割が賛意を示した。
6割が「海外旅行に行きたい」
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外国人の国内受入れに関する水際対策が緩和されてきたが、政府が海外からの観光客誘致に積極的に取り組むことについて、全体の8割が「賛成」と回答。性別では男性の方が女性よりも賛意を示す割合が高い傾向がみられた。
また、水際対策の緩和に関しては、全体では約8割が「知っている」と答え、性別では男女とも同様の傾向にある。ただし、女性よりも男性の方が具体的な内容を含めて緩和されたことを知っている者の割合が多く、回答割合は約3割にのぼる。
水際対策緩和の賛成理由としては、男性は「観光客の消費が日本の経済回復につながる」「観光客の地方訪問が賑わいを創出し、地方活性化につながる」「早くコロナ前の日常に戻りたい」の順に回答した若者が多かった。
女性は経済回復への貢献が男性同様トップとなったが、2位は「早くコロナ前の日常に戻りたい」、3位は「観光客の地方訪問が賑わいを創出し、地方活性化につながる」の順だった。
一方、水際緩和を反対する理由としては、男女とも「新型コロナウイルス以外の感染症(サル痘)が持ち込まれる可能性がある」「新型コロナウイルスが持ち込まれる可能性がある」と答えた人が多かった。
調査では、アウトバウンド(外国に向かうこと)に対する若者の考え方も聞いた。日本に住む人が海外との往来がしやすくなることについて、全体では約7割が賛成した。性別では女性よりも男性の方が、賛成とした割合が多く、8割を超えている。10月からこれまで求められていた海外から日本国内に入国後・帰国後の入国時検査や自宅または宿泊施設での待機期間がなくなったことを踏まえて調査したもの。
新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、海外へ行くことを断念した経験がある人は、全体で約3割にのぼるなか、海外から日本に入国後・帰国後に入国時検査や自宅等待期期間がなくなったことで、「海外旅行に行きたいと思う」と、約6割が回答。
全国旅行割、7割が「使いたい」
Gotoキャンペーンなど、国内の観光需要喚起策に関する認知度も調べた。喚起策を行うことについては、全体では約8割が賛成し、性別では男女とも同程度の割合だった。
賛成理由としては、男性は「観光の経済効果によって地域の活性化などにつながる」「観光業・旅行業にかかわる人たちを助けることになる」「自分自身がお得に旅行に行ける」「観光業・旅行業に関わる人たちを助けることになる」の順に、回答者が多かった。
反対理由としては、男性は「新型コロナウイルスの感性拡大の可能性がある」「観光だけでなく別のことにも税金を使うべき」「自分自身、家族や周囲の人の新型コロナウイルス感染が怖い」の順で、1位から3位となった。
女性の反対理由トップは「制度がわかりづらく、不公平感がある」。以下、「新型コロナウイルス感染拡大の可能性がある」「観光だけでなく別のことにも税金を使うべき」との回答が続いた。
また、国内旅行をすることとなった場合に、「全国旅行割」を使いたいとしたのは、全体では7割程度。性別では男女とも同程度の割合となった。