2021年10月14日 水系・流域が一体となった洪水予測の実施等 洪水及び土砂災害の予報のあり方検討会報告書

国土交通省の洪水及び土砂災害の予報のあり方に関する検討会(座長:沖大幹東京大学大学院工学研究科教授)はこのほど、これまでの検討の成果として報告書をとりまとめた。報告書では提言として、社会の防災対応や事業継続により貢献していけるよう、国等による、市区町村の防災対応や住民の避難のための予報の高度化及びその提供や、研究者や民間気象事業者等による新たな技術の研究開発及び防災上の考慮をしたうえでの多様なニーズに応える予報の提供に向けて、①国等による水系・流域が一体となった洪水予測の実施、②国等による土砂災害警戒情報などの更なる精度向上、③民間による洪水及び土砂災害の予報の提供に向けた制度の構築、④研究者や民間気象事業者等における技術開発や予報業務を推進する環境整備を進めていくことを示している。

近年の頻発・激甚化する気象災害を背景として、市区町村や住民をはじめ民間企業や自主防災組織等の地域コミュニティなど、社会全体において防災対応や事業継続に対する意識が高まっており、洪水及び土砂災害の予報のさらなる高度化とともに、利用者の多様なニーズに対応した像法が求められている。また、こうしたニーズも背景に、研究機関や民間気象事業者等において洪水及び土砂災害の予測に関する様々な研究や新たな技術開発が進展している。

報告書で示された提言のうち、国等による水系・流域が一体となった洪水予測の実施では、一級水系について、国が水系・流域が一体となった洪水予測を行う仕組みを構築し、洪水に関する予測情報を社会に提供すること、二級水系について、同様に都道府県が中心となり情報提供するが、区が必要に応じてモデルの開発や都道府県の支援を行うこと等を提言した。

国等による土砂災害警戒情報などの更なる精度向上では、災害事例や地域の降雨特性、気候変動等による降雨特性や災害特性の変化を踏まえて検証を行い、今後も発表基準の改善等(災害事例等の検証による基準改善、地震後の発表基準引き下げ等の合理的な運用、除外格子の設定など)による精度向上の取組を進めることなどを求めている。

民間による洪水及び土砂災害の予報の提供に向けた制度の構築では、洪水及び土砂災害の予報業務許可は、予報に利用する降水予測の技術的な担保に加え、水文学・水理学・砂防学に関する技術的な水準を担保しうる基準を設け、この基準への適合を審査できるような制度を構築し、審査実施のための体制を構築することを提言。制度の構築にあたっては、洪水や土砂災害の予報の特徴も踏まえつつ、可能な範囲で多様な予測技術の活用を認める方向が望ましいとしている。

研究者や民間気象事業者等における技術開発や予報業務を推進する環境整備では、研究者や民間気象事業者等の観測や予測、情報伝達等に関する技術開発の推進や予報業務の実施のため、必要なデータについて効率的・安定的に提供する体制・仕組みを構築するよう求めた。また、国と研究機関、民間気象事業者等が互いの研究や技術開発について情報共有を行う場を積極的に構築することを提言している。


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