このほど、水産総合研究センターと水産大学校が統合し、新たに「水産研究・教育機構」が発足した。さらに、第4期中長期計画に基づいた業務が開始されたが、今後、4つの重点課題に向けて研究開発成果の最大化と水産業を担う人材の育成に取り組んでいくとしている。
研究成果の最大化と人材育成に重点
今回の水産研究・教育機構の発足は、平成25年12月に閣議決定された「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」に基づくもの。
また、第4期中長期計画は、今年3月1日に農林水産大臣から示された、平成28年度から平成32年度までの5ヵ年間に関する新たな中長期目標に基づくもの。①水産資源の持続的利用のための研究開発 ②水産業の健全な発展と安全な水産物の供給 ③海洋・生態系モニタリングと基盤研究 ④水産業を担う中核的な人材の育成 ― の4つを重点課題としている。
宮原正典理事長は発足にあたり、「これまで水産総合研究センターが担ってきた研究開発機能と、水産大学校が担ってきた人材育成機能を維持しつつ、学生教育に最先端の研究成果や研究所の施設を活用するなどにより相乗効果を発揮し、我が国唯一の水産に関する総合的な研究開発機関として研究開発成果の最大化を図るとともに、新しい日本の水産業を牽引する人材育成の中核的機関として邁進していく」とのコメントを公表している。
さけます情報館リニューアルオープン
また、水産研究・教育機構は4月15日、北海道千歳市にある広報展示施設「さけの里ふれあい広場」の展示内容や施設名称を改め、「千歳さけますの森 さけます情報館」としてリニューアルオープンした。
この施設がある北海道区水産研究所千歳さけます事業所は、100年以上前からさけますのふ化放流に関わる業務を行っており、ふ化放流事業などを学べる場として利用されている。さらに、千歳川上流域の豊かな自然を体感できる憩いの場としても広く親しまれている。
今回のリニューアルは、幅広い年代に向けて、より分かりやすく、楽しめる展示施設となることを目的の一つとしている。そのため、包括連携協定を締結している女子美術大学の高い芸術力が展示空間のデザインに反映されているほか、サケの生態を学ぶことができる展示パネルや大型映像システム、動きに合わせて映像が変化するインタラクティブコンテンツ、ゲームなどが新たに制作された。
このほか、現在、さけます情報館のキャラクターを決定するための総選挙も行われている。