2016年9月7日 歴史的風土の保存・活用 今後の古都保存行政のあり方で答申

国土交通省の社会資本整備審議はこのほど、明日香村における歴史的風土の保存・活用の推進、古都保存における多様な主体との連携・協働の推進、地域の魅力向上に繋がる歴史まちづくりの推進等を内容とする答申を行った。平成26年2月の国交相から会長へ諮問を受けたもので、社会情勢の変化や「古都における歴史的風土の保存に関する特別法」、「明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備に関する特別措置法」と「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」に基づき、これまで取り組んできた施策の成果等を踏まえた今後の古都保存行政のあり方についてまとめている。

答申は、明日香村における景観の維持・向上や観光振興の取組の継続等、歴史的風土の保存・活用の推進、歴史的風土の保存の担い手やサポーターの拡大、歴史的に価値が高い情報の発信等、多様な主体との連携・協働による古都保存の推進、景観施策の充実や民間の資金・ノウハウの一層の活用による歴史意的文化遺産の保全・活用等、地域の魅力向上につながる歴史まちづくりの推進を主な内容としているものと、これを踏まえた「歴史的風土保存計画変更(案)」で構成されている。

 

歴史的風土保存の推進方策等

このうち、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等の推進のための方策については、当面取り組むべき施策として、国家基盤が形成された地に相応しい歴史展示の推進、歴史的風土の維持・向上、歴史展示及び歴史的風土を活用した地域活力の向上、生活環境基盤整備の推進をあげた。

また、人口減少・超高齢化の急速な展開など、中長期的な社会経済状況の変化を今後も見通しつつ、明日香村での将来的な取組のあり方について、時期整備計画の策定時期までの間に、さらに議論を進めるよう提言している。

今後のこと保存と歴史まちづくりのあり方については、古都保存の今後のあり方として、病虫害対策等、歴史的風土を構成する自然的環境のマネジメントの強化、歴史的風土の保存の担い手やサポーターの拡大、歴史的風土の価値の情報発信・理解増進の推進、景観の変化への対応をあげている。

また、歴史まちづくりの今後のあり方としては、民間の資金・ノウハウの一層の活用による歴史文化資産の保全・活用、景観施策の充実による地域の魅力向上、歴史まちづくりのノウハウの共有・ネットワーク化の推進などを掲げている。

歴史的風土保存計画変更(案)では、普及啓発や多様な主体との協働等について、国や関係地方公共団体は、歴史的風土の維持保存に向けた意識の醸成と向上に努めることを追記。また、市民団体等多様な主体と協働することも掲げており、その際、自然的環境の保存等の活動を適正かつ確実に行うことができる団体を指定し、必要な情報提供、助言を行うこと、自然環境学習等の教育活動や農林業体験活動へ乗り活動を促進することも定めている。

このほか、樹林の適切な伐採・更新、間伐、下草刈り、病害虫や野生鳥獣による被害への対策等を行うこと、風致地区制度や景観法に基づく措置等を併せて活用すること、急傾斜地等における土砂崩壊や落石の防止等の措置を講じる際は周辺の景観との調査に十分配慮することも規定している。


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