2019年3月26日 歳入、歳出ともに減少 19年版「地方財政の状況」(地方財政白書)

総務省は、地方財政法第30条の2第1項の規定に基づき、15日に2019年版「地方財政の状況」(地方財政白書)を取りまとめた。2017年度普通会計決算の概況について、歳入総額は101億3233億円で、地方税、地方債が増加したものの、地方交付税、貸付金元利収入、国庫支出金の減少等により、前年度と比べ1365億円減(0.1%減)となった。このうち、東日本大震災分は2兆8081億円で1兆96億円減(26.4%減)、東日本大震災分を除いた通常収支分は98兆5152億円で8730億円増(0.9%増)となっている。一方、歳出総額は97兆9984億円で、扶助費、公債費が増加したものの、貸付金、積立金の減少等により、1431億円減(0.1%減)となった。このうち、東日本大震災分は2兆4918億円で8830億円(26.2%減)、通常収支分は95兆5066億円で7400億円増(0.8%増)となっている。

国と地方の歳出純計額を最終支出の主体に着目して国と地方とに分けると、国が42.2%、地方が57.8%であった。

また、中央政府と地方政府が国内総生産(支出側)に占める割合は、地方政府が10.8%、中央政府が4.0%となり、地方政府の占める割合は中央政府の約2.7倍であった。

決算収支についてみると、実質収支は2兆379億円の黒字で774億円増加、単年度収支は782億円の黒字で755億円増加、実質単年度収支は908億円の赤字で93億円増加した。また、市町村で3団体の実質収支が赤字となった。

財政構造の弾力性については、経常収支比率は、分子である経常経費充当一般財源の補助費等、扶助費の増等による増加率が、分母である経常一般財源の臨時財政対策債の増等による増加率を上回ったため、前年度より0.1ポイント上昇し、93.5%となった。

実質公債費比率は、0.5ポイント低下し8.8%となっている。

地方債現在高、債務負担行為額と積立金現在高の推移をみると、地方債現在高は、前年度と比べて6191億円減(0.4%減)の144兆2891億円、債務負担行為額は7912億円増(5.1%増)の16兆4177億円、積立金現在高は1264億円増(0.5%増)の23兆7521億円となっている。

積立金の内訳は、財政調整基金が1216億円減(1.6%減)の7兆4636億円、減債基金が728億円減(2.9%減)の2兆4760億円、その他特定目的基金が3207億円増(2.4%増)の13兆8125億円であった。

地方債現在高に債務負担額を加え、積立金現在高を引いた額は、457億円増(0.03%増)の136兆9546億円となっている。

地方公営企業の状況について、総事業数は、2017年度末現在8398事業で、前年度と比べ1.6%減少した。決算規模は17兆93億円で9028億円増(0.4%増)となった。

全体の経営状況は、3年連続で黒字となっているが、個々の事業をみると、依然として1割以上の事業で赤字が生じている。


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