国土交通省では、下水汚泥資源についての肥料利用の拡大を進めており、その一環として、「下水汚泥資源の肥料利用に関する検討手順書(案)」を作成し、14日に公表した。
農業生産に必要不可欠な肥料は、その原料の多くを海外に依存していることから、国際市況や原料産出国の輸出に係る動向の影響を強く受けやすい状況となっている。一方、下水処理の過程で発生する下水汚泥は、リンや窒素等の肥料成分を含有する国産資源として期待が高まっており、食料安全保障の強化や農業の持続性に貢献する取組として、さらなる肥料利用の拡大が求められている。
国交省では、令和12年までに下水汚泥資源の肥料としての使用量を倍増するとの目標を達成すべく(食料安全保障強化政策大綱、令和4年12月決定)、下水汚泥の処理に当たって、肥料利用を最優先する旨の通知を令和5年3月に自治体に向けて発出するなど、下水汚泥資源の肥料利用の拡大に向けた取組が推進されるよう促してきた。
今回公表した「下水汚泥資源の肥料利用に関する検討手順書(案)」は、自治体が下水汚泥資源の肥料化を自治体が検討するためのマニュアル。
手順書では、下水汚泥資源の肥料化を自治体が検討する際の手順をフロー図で示し、各段階で検討すべき事項を章ごとにわかりやすく説明している。また、昨年10月に新たに設定された肥料の公定規格である「菌体りん酸肥料」についても解説しており、肥料登録の方法等を紹介している。
自治体がこの手順書を活用することにより、肥料利用の取組が加速することが期待される。