2018年11月14日 検討会が中間論点整理案示す デジタル・プラットフォーマー巡る取引環境整備

総務省、経済産業省と公正取引委員会は、今年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」で、プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備のため、今年中に基本原則を定めこれに沿った具体的措置を早急に進めるべきものと定められたことを踏まえ、これまで、競争政策、情報政策、消費者政策等、多様な知見を有する学識経験者等の参画により、デジタル・プラットフォーマーを取り巻く各国制度の研究・評価や我が国での課題と対応等について検討を重ね、論点整理を進めてきたところであり、その検討を通じて整理された中間論点整理案をこのほど公表した。

中間論点整理案では、主な論点として、①デジタル・プラットフォーマーの意義・特性、②デジタル・プラットフォーマーに対する法的評価の視点、③イノベーションの担い手として負うべき責任の設計(業法の在り方等)、④公正性確保のための透明性の実現、⑤公正かつ自由な競争の再定義、⑥データの移転・開放ルールの検討、⑦国際の観点を掲げている。

このうち、デジタル・プラットフォーマーの意義・特性では、デジタル・プラットフォームは、事業者の市場へのアクセスを高め、消費者の便益も向上させていること、デジタル・プラットフォームは、ネットワーク効果、限界費用の廉価性、規模の経済性等の特性を通じて、独占化・寡占化が進みやすいとされていることをあげた。

デジタル・プラットフォーマーに対する法的評価の視点では、巨大デジタル・プラットフォーマーの特徴(社会経済に不可欠な基盤を提供、市場そのものを設計・運営・管理、操作性や技術的不透明性が高い)を踏まえ、取引環境整備の在り方を検討するよう求めている。

イノベーションの担い手として負うべき責任の設計(業法の在り方等)では、守るべき社会的利益・価値、競争条件の同等性などの観点から、プラットフォーム・ビジネスの登場が必ずしも想定されていなかった業種での業法について見直しの要否を個別に検討していくことが必要としている。

公正性確保のための透明性の実現では、取引実態が不透明であり、不公正な取引慣行の温床となるおそれがあること、大規模・包括的な徹底した調査を行うべきであることなどを指摘している。

公正かつ自由な競争の再定義では、多面市場におけるネットワーク効果やデータ集積等、潜在的な競争相手の芽を摘むような形の企業結合、違反防止の抑止のための適切なエンフォースメントなどを論点として掲げている。

データの移転・開放ルールの検討では、データポータビリティやAPI開放といったデータの移転・開放ルールの在り方は、データ駆動型社会での消費者政策だけでなく、競争政策や共創基盤の整備としても一定の意義を持つことから、ルールの要否・その内容の検討が必要とした。

国際の観点では、デジタル・プラットフォーマーがグローバルな活動を行っていることを考えると、デジタル・プラットフォーマーの規律の在り方についても国際的なハーモナイゼーションを思考する必要はないか検討するよう求めた。


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