東京工業大学とNIMS(国立研究開発法人物質・材料研究機構)は、物質・材料分野における次世代を担う研究人材の育成を⽬指して、博士後期課程の教育・研究で協力に連携することを定めた協定書を締結した。
東工大の益 一哉学長とNIMSの宝野和博理事長とによる協定書の調印は、1月11日に東工大大岡山キャンパスで行われた。
協定では、NIMSの研究者が、東工大物質理工学院の「連携特定教員」として、副指導教員となる物質理工学院の教員とともに、博士後期課程入学から学位取得まで東工大の学生を主任指導する。また、今回の協定を通じてNIMSで博士研究を行う学生は、NIMSの研究業務にも貢献するため、「NIMSジュニア研究員」としてNIMSが雇用する。
日本の科学技術研究開発力の低下を懸念する声が高まる中、次世代を担う研究人材の育成と確保は国家レベルの急務。しかし、国内大学における博士後期課程進学者の数は2003年以降減少傾向にあり、日本における博士号取得者の数は、日本よりも総人口の少ない国であるドイツや英国における博士号取得者数の半分程度と低迷しているのが現状。
こうした背景から、東工大とNIMSは、物質・材料分野における教育と研究で強力に連携し、新協定のもと、東工大‐NIMS連携大学院制度を発足させる。そして、制度を活用して東工大に入学する博士後期課程学生は、NIMSジュニア研究員としてNIMSにおける研究経験を積みながら学位取得を⽬指す。
これにより、日本が国際的に競争力を維持している材料科学分野の博士後期課程研究を活性化し、世界基準の次世代研究人材育成を目指す。
※ 23日掲載時にNIMS理事長のお名前に誤りがあり、また写真が反転しておりました。お詫びして修正掲載します。