日本科学未来館(略称: 未来館、毛利衛館長)は、来年7月19日から10月18日まで、企画展 「デザインあ展in TOKYO」を開催する。この企画展は、「デザイン的思考」を伝えるNHKの教育番組『デザインあ』のコンセプトをもとに、デザインの視点や考え方を体験し、科学技術とのかかわりをも理解するもの。五感を最大限に活用した体験型展示は「観察」「分類・分解」「再構築」など、デザイン的思考を体験者自らが導き出せるよう工夫されている。また、映像と音楽によるインスタレーションなどの展示を通して、デザインの楽しさ、面白さを体験することができる。
企画展は2013年開催の『デザインあ展』を一新し、食、プロダクト、身体、空間、時間など生活の中にある身近な八つのテーマに焦点をあてる。未来館では、「それらを〝みる・かんがえる・つくる〟というデザイン的な視点の中に、科学技術との共通性や違いを発見してもらえるでしょう」としている。
「デザイン」という言葉は、形や色をうまく整え、ものを作ることだと捉えられがちだが、本質的には、対象を観察、分析、考察した後、組み合わせ、解決を導きだす方法論を意味している。「デザイン」と「デザイン的思考」は、複雑な社会の共通理解を単純にし、さらに新しいシステムを構築し、さらに直面する課題解決のために多様な人々が共創する重要な道具になると注目されている。
展示場のたくさんの〝あ!〟という発見を通して、子どもも大人も一緒に、デザインを楽しく学び、思考を身に付け、自分たちの未来そのものをデザインし実践するきっかけになることが期待される。
「デザインあ展」総合ディレクターの佐藤卓氏は「人のあらゆる営みに、デザインは欠かせません。つまり、こどもの時からのデザイン教育が、とても大切なのです。そのような想いで始まったデザイン教育番組『デザインあ』を、身体とともに体験してもらえるのが『デザインあ展』です。2013年に開催した実験的な『あ展』を、さらに発展させる今回の『デザインあ展』は、これからのデザイン教育のあり方、そして展覧会の新しい形を提案できると思っています」と語り、来場を呼び掛けている。
4月からは「名探偵コナン」展
また、来年4月18日から7月8日まで、企画展「名探偵コナン 科学捜査展~真実への推理アブダクション~」を開催する。
『名探偵コナン』は、1994年に週刊誌で発売されて以来、国境や文化、世代を越えて世界に広がり、支持され続けているコミック。同展は、そんな親しみのあるコナンの世界観をベースに、科学捜査のプロセスを楽しみながら体験できる企画展。
会場では、来場者が探偵手帳に沿って、証拠を採取する「現場検証エリア」、新たな情報を収集する「聞き込みエリア」、証拠を科学的に鑑定する「ラボエリア」の三つのエリアを巡り、事件の真相を解明する。また、原作では描かれていない、同展だけのオリジナルストーリーも注目。
科学未来館では、「本展は、観察、情報収集・分析、検証を通して証拠を集めるプロセスや、科学技術を物事の解明のために賢く使うことの重要性を感じていただける貴重な機会になるでしょう」と、魅力を語っている。