(国研)産業技術総合研究所バイオメディカル研究部門先端ゲノムデザイン研究グループの大石 勲研究グループ長は、(国研)農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門の田上 貴寛上級研究員らと共同で、卵白に有用組換えタンパク質を大量に含む卵を産む遺伝子改変ニワトリを作製する技術を開発した。
この技術は、次世代の遺伝子操作技術として様々な動植物で研究されているゲノム編集技術のクリスパー・キャス9(ナイン)法をニワトリに適用し、卵白の主要なタンパク質のオボアルブミンの遺伝子座に有用タンパク質のモデルとしてヒトインターフェロンβの遺伝子を挿入(遺伝子ノックイン)するもの。遺伝子を挿入した雌のニワトリ(ノックインニワトリ)が産む卵は、卵白にヒトインターフェロンβタンパク質を大量に含むこと、雄のノックインニワトリを利用して繁殖できることが確認された。
今後、今回の研究成果を活用し、様々なノックインニワトリを作製することで、ヒトインターフェロンβに留まらず、バイオ医薬品や酵素タンパク質など高価な有用組換えタンパク質を極めて安価に大量生産する技術に繋がるものと期待される。