全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)は、全国大学生協共済生活協同組合連合会(大学生協共済連)と三菱総合研究所と共同して、『最新情報版 大学生が狙われる50の危険』を青春出版社から出版している。価格は本体価格1000円+税。
同書は、2011年の『大学生がダマされる50の危険』、2014年の『大学生が狙われる50の危険』で取り上げたリスクで、引き続き警鐘を鳴らすべきものを特化した上で、『狙われる50の危険』出版後の3年間の学生をめぐるリスクの変化も反映させ、発行した。
また、この『最新情報版』には、1万名もの学生が答えた大学生協の学生生活実態調査のデータと、学生総合共済で把握された学生の病気や事故などの実態に基づくデータがふんだんに使用されている。
さらに、大学生協が連続して行った「学生の生活リスク講座」で提供されたリスク専門家による知見と、大学教職員・学生のリアルな状況認識を凝縮した。
全国大学生協連では、「さまざまな〝危険〟を知らなかったために、大学生活を台無しにしてしまう学生を一人でも減らし、有意義な大学生活を送っていただきたいとの願いをこの本に込めた」と話している。
リスクは「自分自身の問題」
学生を巡るリスクとして増えているのは、スマホやインターネットの日常生活への浸透によるもの。また、学生が経済的システムに組み込まれるなかでの、いわゆる〝ブラックバイト〟問題もここ数年多発しているという。
さらに、これらのリスクに加えて、訪問販売などの悪質商法・宗教団体からの勧誘や、自動車事故・盗難、セクハラ・置換の被害が目立っている。
これらのリスクに対して、多くの学生は〝他人事〟といった認識に留まっており、全国大学生協連では、「まずリスクの様相を正しく認知し、〝自分自身の問題〟として捉えることが不可欠」と問題意識の重要性を強調する。さらに、トラブルに遭ってしまったときには、自ら主体的に解決することが求められ、『最新情報版』は最適なマニュアル&テキストとしての役割を発揮するとしている。
ブラックバイトなどを説明
236ページの『最新情報版』は6章構成で、①大学生が特に気を付けたい8つの危険(リスク)から始まり、②スマホ・SNSが引き起こす、危ういトラブル、③大学生を付け狙う、こんな手口・あんな手口と題して、キャッチセールスやブラックバイト、ネット詐欺などについてわかりやすく説明している。
また、病気やケガ、こころの不調、ひきこもり、自殺など、知っておくべき「こころと体の危険なサイン」や、大地震や台風などで大学生が陥る事態について紹介するとともに、迷惑行為や法令違反といった成人が問われる責任などに関しても、留意点などが示されている。
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全国大学生協連は、218大学生協が加盟しており、150万人を超える学生・院生・教職員が組合員となっている。大学生協では、このスケースを活かすため、各地域や全国的な規模で相互交流を図り、共同で事業を実施している。
また、大学生協共済連合は、大学生が病気や事故に遭わないための取り組みを積極的に推進している学生総合共済の元受団体。学生総合共済は1981年に開始され、学生の参加による大学生活に最適な保障制度となり、70万人を超える学生が加入している。