介護の最新技術・製品・サービスが一堂に会する「第2回介護&看護EXPO」が、2019年10月23日~25日の3日間、千葉の幕張メッセで開催される。
話題の介護ロボットや最新見守りシステムの出展など、介護関係者にとって非常に関心の高い展示会であり、今年も多くの注目を集めることは必至だ。
この「介護&看護EXPO」を含む「医療と介護の総合展」は、例年大阪で開催されてきたが、去年から初めて東京で開催、全国から多くの来場者を集めた。今年はさらに規模を拡大し、医療・介護あわせて610社の出展、150講演のセミナーなど、ますます豪華なラインナップとなっている。
ここでは、今年の「第2回介護&看護EXPO」に焦点を当て、見逃せない注目製品やサービス、お勧めセミナーを紹介していく。
■ およそ3万人が来場予定
「第2回介護&看護EXPO」とは、介護と看護の幅広い技術・製品・サービスが集う、商談を主な目的とした総合展示会である。
AIの最新テクノロジーや福祉用具の新製品など、介護の最新情報の収集、比較、検討のために、介護サービス事業者、ケアマネ、介護職や看護職に身を置く多くの人々が参加する。介護現場でのトラブル、増加する介護業務の負担、利用者のQOLなど、数々の介護問題の解決に向けたヒントが得られる絶好の機会となりそうだ。
注目の「介護×テクノロジー特集」では、ロボット、AI、見守りシステムといった最先端技術が数多く出展される予定。介護スタッフの負担軽減やケアの質の向上に役立つ「AI技術・AIシステム」は、今後の介護業界に欠かせないものとなっていくだけに、介護サービス事業者や経営者にとっては見逃せない展示となるだろう。
また、施設介護や在宅介護をサポートする便利な装置やサービスが多数出展され、実際に実機でデモを行う企業も多い。
さらに、日々の介護業務の負担を減らす「業務支援システム」や、AIを用いた「人材不足対策システム」は、社会問題となっている介護スタッフ不足を解消する足掛かりとして要注目と言える。
併催セミナーでは、介護ロボット、人材不足問題の打開策、高齢者の栄養管理、今後の介護保険の動向といった豊富なテーマがそろう。行政官、病院長、経営者、研究チーム長などの名だたる講師陣が講演を担当。業界を動かすトップランナーの話が聞けるこのチャンスを大いに利用したい。
会場では去年も、あちこちのブースで製品の相談、見積り、納期の打ち合わせなどが盛んに行われていた。今年も3万人もの来場者が見込まれており、会期中は大きな賑わいをみせることになるだろう。
■ 注目製品・サービスは?
今回の「第2回介護&看護EXPO」の注目製品のひとつが、オージー技研(株)の「寝たまま入浴できるオープン型シャワーバス」だ。旧型のドーム型から新しくオープン型に改良されたことで、安全性・視認性がともに向上し、重度障害や拘縮のある人により安全に利用してもらえるようになったという。
また、体の洗浄と洗髪が同時に行えるため、ケアの時短が可能。介助者、利用者双方の負担を減らせるメリットは大きい。オープン型の構造なら掃除も行き届きやすく、衛生面も安心である。掃除がしづらい入浴機器はカビが生えやすいうえに感染リスクも高まるため、こうした改良は現場のスタッフにとっても助かるだろう。
次に、トーテックアメニティ(株)の「高齢者見守りシステム 見守りライフ」に注目したい。転倒リスクの減少を狙いとした「離床予知センサ」で、ベッドの脚に取り付けて使用する機器である。
利用者の離床、動き出し、起き上がり、端座位などの情報をいち早く検知して介助者へ通知するため、アクシデントを未然に阻止しやすくなる。専用サーバにつなげれば複数のベッドがリアルタイムに管理できるので、自宅だけでなく特養などの施設でも活用でき、ナースコールとの連携も可能とのこと。徘徊の多い利用者の介護やスタッフの少ない夜勤時など、役に立つシーンは多いだろう。自動で利用者の体重計測ができる点も便利だ。
もうひとつ、(株)ワイズマンによる医療・介護連携サービス「MeLL+(メルタス)」も一見の価値がある。これは、施設と事業所、家族と多職種スタッフの連携をよりスムーズにし、地域包括ケアシステムの実現を手助けするサービスだ。
このサービスを使えば、利用者のバイタル、介護記録、リハビリ状況、デイやショートステイの予定、カルテの内容などが多職種のスタッフ間で瞬時に共有できる。たとえば、アレルギーや服薬内容、ADLや介護ケアの状況などについて看護と介護の連携が円滑にとれれば、連絡の遅れや行き違いを阻止し、万が一のトラブルの回避に役立つだろう。
ここで紹介した製品やサービスはすべて実機でデモを行うので、興味のある人はぜひチェックしてほしい。
■ トップランナーが多く登壇
会場で企画されているセミナーは、介護ロボット、栄養管理、口腔ケアなど、現場で役立つ実践的な内容から、介護報酬改定、地域包括ケア、人材不足の打開案など、事業者や管理者向けの内容まで幅広い。
なかでも注目は、「抱えない移乗を実現するためのロボット介護機器の活用事例」だ。ロボット機器の使い方や実際の導入例などを専門家が紹介する。介護者の負担を減らす「移乗支援ロボット」は、業界でも非常に関心が高い。(国研)産業技術総合研究所のロボット研究チーム長のほか、企業のロボット開発事業担当者などが講演を行う。
また、「口腔ケアで介護が変わる! 口腔ケア入門」は、実際に介護業務に当たる職員にぜひお勧めしたいセミナーだ。口腔ケアは、高齢者の健康を守るための重要なケアであるにもかかわらず、現場では適切な指導・教育が行き渡っているとはいえないケースも多い。口腔ケアについて専門の口腔歯科医の視点から話が聞ける機会は貴重だ。
さらに、介護保険の今後を見据えた「政府が描く、介護保険制度の将来展望」や、自立支援介護に着目した「科学的介護の展望 ~お世話型の介護から“自立支援介護”へ~」といったセミナーも、それぞれ要チェックである。
「第2回介護&看護EXPO」の入場には招待券(無料)が必要。招待券は事前に公式ホームページから請求する仕組み。希望者は以下のリンクから。
日程:2019年10月23日(水)~25日(金)
会場:幕張メッセ
Source:リードエグジビションジャパン