文部科学省では、大学や研究機関などとの共同企画展示を同省ミュージアム「情報ひろば」で実施している。5月1日からは首都大学東京、筑波大、関西学院大、国立青少年教育振興機構の協力を得て展示している。
今回の企画展示で筑波大は、東南アジアやAPECの教育現場で、日本の教育モデルが注目され、活用されている様子を紹介している。筑波大教育開発協力センターを中心に発信しているもので、日本の教育モデルの再発見にもつながると注目を集めている。
1)首都大学東京「新しい製品開発手法〝KADENプロジェクト〟」
システムデザイン思考に基づいた統合知を踏まえ、学生らが今までにないものづくりに挑戦する実践的教育プログラム「KADENプロジェクト」の活動成果に加え、モノ・ヒト・地球環境との「繋がり」をテーマに、コニカミノルタ(株)との協働プロジェクトとして実施した成果を紹介している。
KADENプロジェクトでは、首都大学東京の工学系とデザイン系という異なる専門分野を持つ学生が協働して新しい家電製本への応用提案を念頭におき、実働するプロトタイプを授業の中で制作。既存の製品開発とは異なる角度からのアプローチでデザインし、社会・ユーザーの要望を融合させた「新しい製品開発を実践する」ことを目指している。
2)筑波大「日本の教育モデルを世界に発信!」
筑波大では、新興国・開発途上国において日本緒教育を提案する国際中核センターとして「教育開発協力センター」を運営。2002年の発足以来、各国における教育の質の向上を目的に、文科省と国際会議などを実施し、地域のニーズにあった教育開発協力モデルの研究や、現職教員の受入れ研修、日本人専門家の派遣研修などを行っている。主体的で対話的な日本教育は、海外の国々を魅了しているという。
筑波大では「今回の展示を通じ、日本の教育の良さを再発見するきっかけとしていただければ」と来場を呼びかけている。
3)関西学院大「〝現実感〟を操作する~豊かで心地よい生活環境を創出するバーチャルリアリティ技術」
人々は日常生活において、目で見て、耳で聞いて、手で触ることにより、現実世界がどのような姿・形かを認識している。これら「五感」に与える刺激を工学的な手段で制御することにより、人間の「現実感」を操作し拡張する技術がバーチャルリアリティ。
今回の企画展示では、バーチャルリアリティ学研究室(井村研究室)での研究の一端を手軽に体験可能なデモとして紹介している。
デモでは、視覚・聴覚・触覚のそれぞれを介して体験者の行動に応じた情報提示を行うことで、知覚的な負担無しに学習効率の向上などの目的を果たすことをねらいとする。
4)国立青少年教育振興機構「体験の風をおこそう」
「体験活動を通した青少年の自立」を目指し、国立オリンピック記念青少年総合センター、国立青年の家、国立少年自然の家の3法人が統合して平成18年4月に発足した独立行政法人国立青少年教育振興機構の全国28の青少年教育施設では、海辺や山中など立地条件を特色ある事業を展開。〝生きる力〟の育成に必要な自然体験活動、集団宿泊活動をはじめ、多様な体験活動の場と機会の提供に努めている。
今回の展示では、子供たちの成長に欠かせない生活体験・自然体験・社会体験が減少している傾向を受け取り組んでいる「体験の風をおこそう」運動をテーマに、出版物や映像、パネルなどを通じて紹介している。
4機関による共同企画展示は旧文部省庁舎3階で8月28日まで開催中。