東京女子大学現代教養学部の篠崎晃一教授と篠崎ゼミは、研究成果の一環として、「出身地鑑定!!方言チャート」を5月16日アップデートした。
「出身地鑑定!!方言チャート」は、2択の質問に答えるだけで回答者の出身地を当てることができるWebサービス。出身地が全国100エリアに分類される「方言チャート100PLUS2」と、47都道府県に分類される「方言チャート47都道府県版」の2種類で構成しており、2013年からネットやSNSなどで人気を集め、4年間で1000万人が利用している。
今回、「方言チャート 100PLUS」のアップデート版として、精度がさらに上がった「方言チャートplus2」をリリース。5月18日が〝言葉の日〟ということもあり、篠崎教授は、方言をきっかけに言葉の面白さについて触れる機会となればと利用を呼び掛けている。
アップデート内容は
〇東北地方へ誘導するルートを改善
〇東北エリア内の振り分けを補強するためのルートを増強
〇山形、新潟の振り分けを補強するためにルートを補強
〇長野への誘導を補強するために質問のバージョンを追加
〇和歌山への誘導を補強するために質問を差し替え
〇兵庫への誘導を補強するためにルートを変更
〇島根、鳥取の振り分けを補強するために質問を差し替え
〇広島、山口の振り分けを補強するためにルートを変更
〇香川、愛媛の振り分けを補強するために質問を追加
〇大分、熊本、鹿児島への振り分けを補強するために質問を追加
〇福岡県内のエリア分割を県民の感覚に沿う形に修正 など。
「出身地鑑定!!方言チャート」は、方言学を専門とする篠崎教授による〝現在でも幅広い世代で使われている方言を掘り起して、その地理的分布を捉えるとともに、集めた調査データを社会に還元したい〟という思いから始まった。
2013年には、約5年間の構想を経て、篠崎ゼミ8期生が「出身地鑑定!!方言チャート」を完成させ、ネットアドバンスが運営する辞書・辞典サイト「ジャパンナレッジ」で公開。翌2014年には全国から寄せられた意見を取り入れ、「方言チャート」を改良し、『たぶん完成版』(現、47都道府県版)としてリリースした。
さらに、2015年には江戸の国や藩を取り入れ、地域を100エリアに細分化した「方言チャート100」を公開し、昨年は「方言チャート100」をさらに細分化し、エリアを加えた「方言チャート100PLUS」を公表。今回、「方言チャート100PLUS2」へのアップデートを行った。
なぜ方言に注目が集まったのか
2013年にジャパンナレッジで「方言チャート」を公開すると、ツイッターなどで話題となり、同年利用者数は700万人を突破。その後、「方言チャート100」は特に高い関心を集め、公開初日にはアクセス集中で一時つながりにくくなるほどの人気となった。
方言が注目を集めた理由として、篠崎教授は「方言は、その人のアイデンティティーや帰属意識を考える際に欠かせないものであり、共通語と組み合わされたり、アクセサリーのようにあえて使われるなど、方言が各地域をアピールするツールとなっている」と分析している。