全国一律の緊急事態宣言は解除されたものの、依然、収束にまでは至っていない新型コロナウイルス禍。日本財団が4月20日と21日に全国の17歳から19歳の男女1000人を対象に行った調査によると、自粛要請には約9割が応じ、3割が全く外出しなかったことが明らかとなった。必要な施策としては「収入が減少した家庭への救済措置」とする若者が半数以上いた。政治に対しては政策のスピード感を求める声が多数寄せられた。
新型コロナウイルス感染拡大への不安で最も多いのは「いつ収束するかわからない」で、69.1%が回答した。続いて「自分も感染するかもしれない」(59.7%)、「休校により教育・進学・就職に影響が出る」(59.7%)、「休校により教育・進学・就職に影響が出る」(55.9%)、「医療が崩壊するかもしれない」(42.4%)、「感染すると他人にうつすかもしれない」(41.9%)など。さらに、アルバイト・仕事がなくなることや、日本を含めた世界的大不況、ワクチンや確立した治療法がないことへの不安も4割近くが語った。
情報を積極的に得ようとしているか聞いたところ、81.3%が「はい」と回答。情報との向き合い方は、49.4%の「できる限り多くの情報を集める」が最多で、「情報をうのみにしないようにする」が44.9%、「公的機関の発表を重視する」が43.2%、「信用する媒体に絞って情報を集める」が33.8%だった。
「ヒマで外出」13%
感染症拡大に伴い、外出の自粛が要請されているが、87.4%が要請に応じた。全く外出していないのは29.7%で、不要の外出を避け8割程度接触を削減したが48.9%。「人との接触は半分程度になった」は8.8%、「避けられない用事などで外出した」は9.8%、「普段どおり外出した」は2.8%となった。
外出自粛要請に応じた理由は、「自分が感染したくない」が74.8%、「感染すると家族や他人にうつす恐れがある」が68.1%。さらに28.3%が「政府や自治体から要請されている」、19.5%が「感染拡大による混乱が連日報道されている」と答えた。
応じなかった理由としては、「職場やアルバイト先が通常通り営業した」が最多で42.9%。以下、「外出に必要なケースが多かった」(38.9%)、「ストレスが溜まる」(20.6%)、「自粛要請であって強制ではない」(15.9%)、「学校や職場が休みでヒマ」(12.7%)との回答が続いた。
感染防止に最も重要なことは、54.7%が「不要不急の外出を控える」と回答し、22.9%が「手洗いやマスクの着用の徹底」、9.9%が「自分の行動に責任を持つ」、6.4%が「フェイク情報に惑わされない」とした。
9割以上が「休校やむを得ない」
休校、入学式や卒業式が縮小や中止決定されたことに関しては、91.0%が「やむを得ない」との認識を示した。一方、「いつまで休校していたら、勉学が追いつかなくなる」といった不安から、通常どおり実施すべきと答えた若者も3.2%いた。
新型コロナ感染症拡大で必要な対策に関しても聞いた。「収入が減少した家庭への救済措置」「休業を要請された事業者への補償」「感染症を中心にした医療態勢の強化」がトップ3で、それぞれ50.1%、47.7%、37.2%が回答した。さらに、オンライン授業の導入やテレワークの一般化、満員電車など交通インフラの改善も3割程度が必要な対策した。
収束後「社会は変わる」約7割
収束後の社会は変わるか聞いたところ、67%が「はい」と回答。変わると思う点に関しては、1位が74.2%の経済で、2位は医療(64.8%)、3位は仕事(56.3%)、4位は政治(46.1%)、5位は教育(43.9%)となった。変わるべき点としては政治が最も多く45.6%で、医療、経済、仕事、教育などが続いた。政治とした理由は「政治の素早い判断やはっきりした政策の表明があれば国民は少しでも安心すると思う」など。