国土交通省は、日立東大ラボと共同で、新型コロナ危機を踏まえた今後のまちづくりを検討するため、新型コロナ流行前、緊急事態宣言中、宣言解除後の3時点で、市民の日常的な行動や意識がどのように変化したのか、全国アンケート調査を実施(サンプル数約13000)し、6日に速報結果をとりまとめた。それによると、調査の結果、「おでかけは宣言解除後も自宅周辺が増加していること」や、「コミュニケーションはリモートよりも対面志向が強いこと」などが確認された。国交省では今後、さらに対象地域別、個人属性別の詳細な分析を行い、同日に設置された「デジタル化の急速な進展やニューノーマルに対応した都市政策の在り方検討会」等での検討に活かしていく方針だ。
この調査は、今後のまちづくりの方向を考えるに当たり、市民の日常的な行動がどのように変容し、また〝マチ〟に対する意識がどのように変化したのか等を把握するために実施したもの。
自宅での活動時間(平均活動時間)と外出率についてみると、新型コロナ流行前に比べ、緊急事態宣言中、7月末時点の自宅での活動時間が増加している(流行前17時間23分、宣言中19時間47分、7月末18時間)。
また、特定警戒都道府県、東京都市圏の外出率は、7月末時点も新型コロナ流行前を下回っている(特定警戒都道府県:流行前73.3%→7月末71.2%。東京都市圏:同72.1%→68.5%)。
テレワークと自宅での活動時間(平均活動時間)をみると、テレワークを高頻度に実施する層の「仕事・学業」の時間は、7月末時点でも新型コロナ流行前より約1時間増加している(流行前3時間5分→7月末4時間4分)。
活動別の外出頻度(週当たり外出日数)については、特定警戒都道府県や東京都市圏では、仕事での勤務先への外出が、新型コロナ流行前よりも調査時点(2020年8月)で1日程度減少している(特定警戒都府県流行前4.1日→調査時点3.2日。東京都市圏:同4.0日→2.9日)。
活動別の最も頻繁に訪れた場所(新型コロナ流行前から調査時点(2020年8月)への変化)については、いずれの地域も、外食や趣味・娯楽の活動場所が、自宅から離れた都心・中心市街地から自宅周辺にシフトしている。
リモート活動のメリット・デメリットについて、メリットでは、「自分の時間ができる」(59%)や「家事や育児ができること」(57%)、デメリットでは、「運動不足になりやすい」(41%)や「仕事とプライベートのメリハリがつきにくい」(43%)との回答が多い。
リモート活動の今後の実施意向については、ネット購入(食料品日用品を含む商品)の実施意欲は高く(食商品・日用品44%、食料品・日用品以外59%)、オンライン飲み会(16%)やオンライン授業・抗議(19%)、オンラインでの習い事・レッスン(18%)の実施意欲は低い。
都市空間に対する意識(充実してほしい空間)については、ゆとりある屋外空間の充実(46%)、自転車や徒歩で回遊できる空間の充実(37%)に対するニーズが高くなっている。