2023年6月12日 政府全体で2355件の評価を実施 令和4年度の政策評価等の実施状況

総務省は、行政機関が行う政策の評価に関する法律第19条に基づき、6月6日、令和4年度の政策評価等の実施状況等を国会に報告した。令和4年度は、政策形成・評価に関する改革の取組(政策評価に関する基本方針(閣議決定)の一部変更)等を行った。また、政府全体で、2355件の評価が実施され、その結果が政策の改善・見直しに反映されている。

令和4年度における政策評価の取組について、政策形成・評価に関する改革の取組として、政策評価に関する基本方針(閣議決定)の一部変更を行った。

基本的考え方として、複雑困難な課題に対応するためには、機動的かつ柔軟な政策展開が有効であり、そのために政策評価の機能を発揮していくことを掲げた。また、政策評価の機能を最大限活用した新たな挑戦や前向きな軌道修正を積極的に行うことが、行政の無謬性にとらわれない望ましい行動として高く評価されることを目指す。さらに、各府省は、次期基本計画期間を試行的取組の期間を位置づけ、政策の特性に応じた評価を試行する。

取組の主な内容として、有効性の観点からの評価を一層重視し、政策効果の把握・分析機能を強化。そのため、画一的・統一的な制度運用を転換し、政策の特性に応じた評価が可能となる評価方式等を見直す。

また、政策評価や行政事業レビュー等の評価関連情報を集約することで、評価書等の質的充実を図り、意思決定過程における活用を推進する。

さらに、評価手法の改善や知見を随時整理・共有し、データ利活用・人材育成支援等を含め、政策評価の取組の継続的な改善を促進する。

各府省での新たな評価手法の導入や意思決定過程での活用等の施行的取組を整理・分析。結果を「新ガイドライン」に反映し、更に各府省の取組の質を高めていく政策評価制度のPDCAサイクルを確立する。

各府省は、政策の特性に応じた評価手法を導入することで、目的に対応した形で政策効果の把握ができ、政策の改善に有益な情報が得られる。

また、政策評価や行政事業レビュー等の評価関連作業からの有益な情報を意思決定過程で活用する。

これらにより、機動的かつ柔軟な政策展開を実現する。

総務省(行政評価局)においては、政策評価の取組の継続的な改善を促進するとともに、政策効果の把握・分析手法を研究する。

政策評価審議会では、有効性の観点からの評価手法や各府省の意思決定過程における政策評価の活用の在り方を整理・分析する。

令和5年度内に新ガイドラインを策定し、評価手法(適切な目標・指標設定の考え方等)や意思決定過程における活用方法等を提示して、各府省の政策評価を後押しする。策定後も随時改定を行う。

 

令和4年度の実施状況等(政府全体の状況)

令和4年度の実施状況等(政府全体の状況)について、各行政機関における政策評価の実施状況をみると、令和4年度政策評価実施件数は2355件で、このうち事前評価が1001件、事後評価が1354件であった。

事前評価の内訳は、公共事業が546件、規制が227件、研究開発が91件、租税特別措置等が88件、政府開発援助が42件、一般分野が7件となっている。

事後評価の内訳は、目標管理型の政策評価が196件、未着手・未了の事業が625件、完了後・終了時の事業等が431件、その他が102件となった。また、その他の内訳は、規制77件、租税特別措置等16件、目標管理型以外の一般分が9件となっている。

各行政機関における政策評価結果の政策への反映状況をみると、事前評価については、評価結果を踏まえ、法令改正、税制改正要望、事業の採択、予算要求等に反映。このうち、予算要求に反映したものは143件となった。

事後評価については、目標管理型の政策評価(19府省196件)において、施策196件のうち、169件ではこれまでの取組を引き続き推進、27件では施策の改善・見直しを実施した。

予算要求においては、152件について予算要求に反映した。

機構・定員要求においては、54件について機構・定員要求に反映した。

事前分析表においては、72件について測定指標等の変更を行った。

未着手・未了の事業を対象とした評価(4省625件)では、事業625件のうち、592件でこれまでの取組を引き続き推進、30件では事業の改善・見直しを実施し、3件は廃止、休止又は中止とした。

予算要求については、152件で予算要求に反映した。

 

評価専担組織としての総務省が行う政策の評価の実施状況

評価専担組織としての総務省が行う政策の評価の実施状況等について、統一性又は総合性を確保するための評価(複数行政機関にまたがる政策を直接評価)では、「地籍整備の推進」と「外来種対策の推進」についてフォローアップを行った。まあ、「不登校・ひきこもりのこども支援」については評価を実施中である。

政策評価の客観的かつ厳正な実施を担保するための評価活動(客観性担保のため各行政機関が行った評価を点検)においては、規制の分野では、法律又は政令により新設・改廃される規制に関する評価で182件、租税特別措置等では、令和5年度税制改正要望に関する評価で43件について点検を行った。


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