国土交通省がまとめた2018年度プレジャーボート全国実態調査結果によると、放置艇は全体の約44%に当たる約7万隻で、2014年度の前回調査結果と比べると約1.7万隻減少したことがわかった。
プレジャーボートを利用したレクリエーション活動が盛んになるにつれて、許可を得ずに係留・保管している放置艇が多くみられるようになり、船舶の航行障害、洪水・高潮・津波等の自然災害時の船舶の流出による被害、景観の悪化など様々な問題が顕在化し、公共空間の適正管理を実現する上で、その解消が求められている。この調査は、放置艇の解消に向けて、全国のプレジャーボートの実態を網羅的に把握するため、港湾・河川・漁港で1996年から実施しており、今回で6回目となる。
調査で確認できた舟艇(以下「確認艇」)の隻数は16万隻で、前回調査結果と比べて1.7万隻の減少となった。放置艇の隻数は7万隻で1.7万隻減となり、その要因には、放置等禁止区域の指定や水域管理者の指導等により、放置艇が適切な施設に収容されたこと等があげられる。
確認艇の保有状況別では、マリーナ等施設の許可艇が5.7万隻(全体の36%)、マリーナ等以外施設の許可艇が3.3万隻(21%)、放置艇が7万隻(44%)となっている。前回調査結果と比べると、許可艇は横ばいで、放置艇が1.7万隻減となり、放置艇の全体割合は微減となった。
確認艇の水域別状況をみると、割合には大きな変化はなく、港湾が2分の1を占め最も多く、次いで、河川と漁港がそれぞれ約4分の1となっている。
艇種別の割合では、小型モーターボートが約7割(11.4万隻)を占め最も多く、次いで大型モーターボートが約2割(3万隻)、残りがクルーザーヨット(1万隻)、ディンギーヨット(0.6万隻)となっている。
三水域の係留・保管状況をみると、許可艇は9万隻で前回から横ばいとなり、このうちマリーナ等施設での保管艇は5.7万隻、それ以外は3.3万隻でともに前回から横ばいとなっている。放置艇は7万隻で減少傾向にあるものの、全体の約半数がいまだ放置艇という状況であった。
港湾区域(河川との重複区域を含む)については、確認艇は8.6万隻で9%減と減少傾向にある。このうち、許可艇は5.4万隻で前回から変化はないが、マリーナ等施設での保管艇は3.8万隻で微減、それ以外では1.5万隻で微増であった。放置艇は3.3万隻で減少傾向にある。
河川区域(港湾または漁港との重複区域を含む)では、確認艇は4.3万隻で減少傾向にある。許可艇は2.3万隻で微減となり、このうち、マリーナ等施設での保管艇は1.5万隻で微減、それ以外では0.8万隻で横ばいとなった。放置艇は2万隻で減少傾向にある。
漁港区域(河川との重複区域を含む)では、確認艇は4.3万隻で減少傾向にある。許可艇は2.1万隻で微増となり、このうちマリーナ等施設での保管艇は0.8万隻で微増、それ以外では1.3万隻と横ばいであった。放置艇は2.2万隻で減少傾向にある。