国土交通省は、集約型公共交通ターミナルの整備等により交通拠点の機能強化を図る「バスタプロジェクト」の推進に向けて、昨年9月に検討会(座長:羽藤英二東京大学大学院教授)を設置して検討を進めてきたところで、このほど交通拠点の機能強化に関する計画を検討する際の留意点等について「交通拠点の機能強化に関する計画ガイドライン」をとりまとめた。また、同プロジェクトは品川駅西口、新潟駅、神戸三宮駅で事業を進めているが、今年度から新たに追浜駅、近鉄四日市駅、呉駅で事業を開始するなど取組の拡大を進めており、今後、ガイドラインを活用し、プロジェクトの全国展開を一層推進する。
バスタプロジェクトは、次世代モビリティも見据えた集約型公共交通ターミナルを官民連携により整備し、モビリティネットワークのトータルマネジメントを行うものであり、国土強靭化や地方創生などの観点を加えつつ交通拠点を中心とした未来志向のまちづくりを目指す取組。
プロジェクトを全国展開するにあたり、その主体となる道路管理者にとって、交通拠点整備の計画を立案する際に共通して把握しておくべき知識・ノウハウを整理してガイドラインとして取りまとめたもの。
ガイドラインは、第1部:計画編と第2部:実務編で構成。
第1部では、交通拠点の意義や求められる機能等の考え方について整理しており、「第1章 道路ネットワークにおける交通拠点の意義」、「第2章 バスタプロジェクトの概要」、「第3章 交通拠点に求められる機能」で構成されている。
第1章では、モビリティの変化と交通拠点の役割、プロジェクトに関するこれまでの経緯、プロジェクトが目指す取組などを取り上げ、交通拠点の意義やプロジェクトの経緯等を解説している。
第2章では、プロジェクトのコンセプト、交通拠点の類型を解説している。
第3章では、交通拠点の機能の概要、ICT交通マネジメントについて解説。交通拠点に求められる機能の全体像、交通拠点の具体的な機能、交通拠点における交通マネジメントの高度化のイメージや参考事例等を紹介している。
第2部では、第4章 交通拠点の機能強化の進め方と題して、交通拠点の機能強化を進める際の検討から事業実施までの流れを構想、計画、事業化、管理運営の4段階に分けた上で、品川や三宮等のこれまでの事例に基づき、各段階における実施事項や留意点を実務の手順に沿って解説。
構想段階では、まちづくりや交通等の関連計画との整合を図りつつ、地域のポテンシャルや課題等を踏まえ、交通拠点の機能強化に向けた整備の方針、整備イメージについて、関係者と調整の上まとめるとした。
計画段階では、交通拠点における現状・課題等を踏まえて、将来像の実現に向けて実施する事業を具体化することなどを掲げている。
事業化段階では、交通拠点の機能強化に係る設計・施工を行い、事業を進めることなどを取り上げている。
管理運営打開では、想定した機能を発現するよう、適切に交通拠点の管理運営を行い、継続的にKPIのモニタリングを行ことなどを紹介している。