2018年10月26日 成人年齢引き下げ、若者の6割が賛成 日本財団が調査、理由は「大人の自覚が持てるから」

2022年に成人年齢が現在の20歳から18歳へとなるが、若者の6割が年齢引き下げに賛成していることが、公益財団法人日本財団が行った意識調査で明らかとなった。18歳から19歳を対象に実施したもので、賛成の理由は「大人としての自覚が持てるから」。

2015年の改正公職選挙法で選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられ、翌2016年の参議院選挙から新たに18歳・19歳の投票が始まった。民法の改正に伴い、2022年4月には成人年齢も「18歳」に引き下がる。

調査によると、18歳の62.9%が自分を〝子ども〟と感じている。また、成人年齢が18歳に引き下げられることについては、60.3%が賛成。一方、4割弱の反対派の7割以上が自分のことを〝子ども〟と感じており、〝子ども〟と感じている層が56.4%である賛成派に比べると、高い傾向が示された。

 

経済的自立していないから「子ども」

自分のことを〝大人〟と思う理由についても聞いた。理由としては「身体は『大人』と変わらないから」が最も多く42.8%。続いて、「十分な判断力があるから」(42.1%)、「選挙権があるから」(31.1%)が上位を占めた。

自分は〝子ども〟と感じる理由としては、「経済的に自立していないから」がトップで、61.3%。続いて、52.1%「法律上、成人ではないから」、36.0%の「十分な判断力があるとは言えないから」が多かった。

成人年齢引き下げに関する賛否の理由としては、賛成派は「大人としての自覚が持てる」「責任感が芽生える」、反対派は「無責任な大人が増えそう」「大人としての自覚を持てない人が多そう」という意見が目立った。賛成・反対両派それぞれの意見のなかで、大人としての自覚や責任感に言及する意見が多い。財団では、「大人としての自覚が持てるかどうか」「責任ある行動がとれるかどうか」が〝成人〟の分かれ目にあると分析している。

また、2022年の成人年齢引き下げに関する認知に関しても調査した。18歳の約7割は年齢引き下げを知っているが、3割は認知していなかった。さらに、知らなかったとの回答者のうち、2割は2022年という引き下げ時期を認知していなかったという。

成人年齢に伴い可能となる行動、従来どおりできない行為に関して聞いたところ、飲酒、禁煙が従来どおりできないことを理解しているのは62.5%、61.0%。親の同意なしの結婚が可能となることは42.3%、携帯電話や車の購入(契約行為)は38.3%の認知であった。一方、「裁判員」には18歳は従来どおり選ばれないが、正答率は15.8%と低かった。また、国民年金への加入義務は以前と同じく「ない」ことも18.5%しか認知しておらず、「民事裁判を一人で起こせる」ことや、「医師や公認会計士、司法書士などの資格取得ができる」ことに関する正答率も低かった。これらの質問には半数以上が「わからない」と回答した。

 

「喫煙したい」は3.4%

さらに、犯罪を犯すと、名前や写真が公開されることについては、6割以上から18歳以下での適用を容認する回答が得られた。選挙権や10年有効パスポート、性別変更の申し立て、親の同意なしの結婚なども半数以上が「18歳以下で良い」と答えた。

18歳ではまだ早いと思う内容では、喫煙、飲酒とともに、ギャンブル、パチンコ・パチスロが多く、さらに国民年金へ加入義務に関しても、7割以上がまだ早いとした。

調査では、成人になったらやってみたいことについても聞いた。最も多かったのは「飲酒」で41.8%だが、「喫煙」は3.4%と低かった。さらに、「特にない」との回答も32.9%と多数寄せられた。


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