2023年10月19日 慶大、KSIPを今月開始 スタートアップインキュベーションプログラム

慶應義塾大学は、同大研究シーズの事業化を目指し、同大所属の教職員・学生が創業メンバーの主体として参画するグループを対象とした、全学レベルのインキュベーションプログラム『慶應スタートアップインキュベーションプログラム/Keio Startup Incubation Program」(KSIP)を、今月開始した。

このプログラムは、研究者・起業家に対して個別にカスタマイズした伴走支援や、研究者・起業家が繋がることのできるデジタルプラットフォームの導入を特徴とするもの。〝大学のディープテックシーズから、ユニコーン企業に成長するポテンシャルを有するスタートアップを継続的に輩出し、研究成果のグローバルな社会実装を通じて、経済や生活にインパクトをもたらす〝をビジョンに活動を推進する。

慶應大は、KSIPによる起業プログラムを開始することで、大学の研究シーズの社会実装を一層強化するとともに、世界規模の課題解決ができるようなディープテック企業の創出と成長を支援し、社会に貢献する構えだ。

 

26年度までにベンチャー300社目指す

慶應義塾大は、2021年11月にイノベーション推進本部のスタートアップ部門を設立し、『志が響きあう。未来が変わる。』をスローガンに、現在は6名の実務家教員からなるチームが、大学発スタートアップの創出・成長を通じた研究・教育成果の社会実装を推進している。

慶應大の設立法人である学校法人慶應義塾が今年度事業計画では、〝大学発ベンチャー企業数ランキングで2026年度までに設立数300社〟を目指すこととしている。

この目標の下、スタートアップ育成を加速するために、学内外のステークホルダーと連携しながら、起業への気づきや興味を促すためのアントレプレナーシップイベントの開催やスタートアップデータへのアクセス提供(フォースタートアップス(株)との協定)を実施。さらに、起業を目指す研究者を支援する慶應版客員起業家(EIR)制度の導入((株)ビズリーチ社との協定)、計算リソース提供、技術・人材支援(アマゾンウェブサービスジャパン合同会社との協定)などの諸施策を展開してきた。

 

「志が響きあう場」目指す

今回、新たに開始する全学レベルのインキュベーションプログラム(KSIP)では、「大学のディープテックシーズから、ユニコーン企業に成長するポテンシャルを有するスタートアップを継続的に輩出し、研究成果のグローバルな社会実装を通じて、経済や生活にインパクトをもたらす」というビジョンを掲げている。

大学研究シーズの社会実装を目指す研究者・起業家が起業の際に抱える事業計画の具体化、会社設立、資金調達などの課題に対して、これまでの活動実績に基づき体系的に構築した支援メニュー()から、シーズに合わせてカスタマイズした個別化伴走支援を提供し、法人設立・資金調達の達成率を向上させる。

さらに、孤立しがちな起業を目指す研究者同士が、つながり、切磋琢磨できる場を提供し、起業家やチームが起業しやすい環境を構築するため、コミュニティ内で起業に関する知識や成功体験を共有・蓄積可能なデジタルプラットフォームを導入。まさにイノベーション推進本部のスローガンである「志が響きあう」ような場を目指す。

※支援メニュー:起業ツールキットの提供、チーム目標の設定と達成に向けたメンタリング、ビジネス人材プールからのチーム参画、支援者プログラムを通じた専門家相談やアイデア検証の機会の提供など


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