厚生労働省は11月30日、人生の最終段階における治療方針を繰り返し話し合う「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」の愛称を「人生会議」にすると発表した。愛称を持たせることで、取り組みの普及を後押しすることが狙い。「いい看取り」や「看取られ」の語呂合わせとして、11月30日を「人生会議の日」とすることも併せて決めた。
厚労省は今年3月、終末期医療の指針を改訂。名称を「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」にするとともに、内容にACPの取り組みを盛り込んだ。患者本人の意思疎通が難しくなった場合に備えて、希望する治療方法や療養場所などをあらかじめ聞いたり、それを繰り返し行うことが趣旨だ。ただ、ACPやその和訳にあたる「患者の意思決定支援計画」は知名度が低いことも相まって、「意味が分かりづらい」といった指摘が挙がっていた。
そのため厚労省は、今年の8月13日から9月14日にかけて愛称の募集を実施。元NHKアナウンサーの内多勝康さんやタレントの小藪千豊さん、放送作家の小山薫堂さん、サントリーホールディングス代表取締役社長の新浪剛史さんらで構成される選考委員会が、集まった1073件の応募から選定した。
作品が採用されたのは、聖隷浜松病院の看護師である須藤麻友さん。選定では、「意味が明確な単語の組み合わせにより、日常会話に浸透していくことが期待できる」、「家族等、信頼できる人たちと輪を囲んで話し合う、というイメージが湧く」といった点が評価されたという。