2023年2月28日 後悔は絶対にしたくない! 介護は人の命に寄り添う素晴らしい仕事【伊藤亜記コラム】

マザーテレサの言葉で、「人生の99%が不幸だとしても、最期の1%が幸せならば、その人の人生は幸せなものに変わる」という言葉があります。

私も祖父母、父と看取りを経験しましたが、「もっとこんなことができたんじゃないか」「あの時こうすれば良かった」と沢山の後悔が残っています。

そんななか先日、介護をした祖母の妹が亡くなりました。下記、亡くなったおばの長男からのLINEです。

 

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《母葬儀のご連絡》

母が、去る1月12日(月)午後9時7分に、年末より入院中でありました〇〇病院にて、心不全により他界いたしました。入院まではそれなりに平穏に過ごしておりましたので、家族としては複雑な思いもありますが、年齢を考えれば本当に頑張ってくれて、生まれ年の卯年を迎え数え96歳の天寿を全ういたしました。

実は亡くなる2日前に同室の患者のコロナ陽性が確認され、母は当初陰性でしたが、亡くなる当日に陽性反応が出てしまいました。このためコロナ対応の葬儀をせざるを得ず、火葬後の骨葬とあいなり、以下の通り一日葬として執り行うこととしました。

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おばは10年以上介護保険を利用し、訪問介護の入浴介助や共に行う掃除・調理などのサービスを受けていました。加えて週3回、「転倒しないように生活したい」を目標に通所介護を利用し、電話ではいつも「ショートステイは行きたくないからデイサービスへ休まず行く」と話していました。

夕食はデイサービスとコンビニの配食弁当で週5日、週末は同居するご家族の調理でした。朝食などは主に自分で作って食べていたんです。要介護度は2。去年の12月23日に、「亜記ちゃん忙しいかもしれないけど、たまには顔を見せてね」と話をしたのが最後でした。

12月25日、肺に水が溜まって緊急搬送され、それでも約1ヵ月頑張って生きようとしていたのに、最後はコロナの院内感染で亡くなるなんて無念です。

看取りケアとは、近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、人生の最期まで尊厳ある生活を支援することです。その支援には、看取りに関わる全ての人が、心をひとつにして、平穏な死を迎えるお手伝いをする姿勢が重要になります。

ターミナルケアとは、病気で余命がわずかになった方に対して行う、医療・看護的ケアのことです。残りの余命を少しでも心穏やかに過ごせるよう、痛みや不安、ストレスを緩和し、患者様のQOL(クオリティオブライフ=自分らしい生活の質)を保つことを目的としています。

どちらも人生の最期を、ご本人やお客様の生き方を支援する内容ですが、祖父母の介護を経験し、10年前に父を肺腺癌の誤診から亡くし、今回、おばの死に直面して改めて誓いました。専門職として、自分自身も、お客様もそのご家族も、後悔する介護は絶対にしたくない!

介護業界は人手不足と言われていますが、「人の命や生活に寄り添える素晴らしいお仕事」だと浸透していないのも理由の1つと考えます。措置の時代から何度も変化を重ね、ICTやIoTなども活用することで、「力業の介護から、テクノロジーも駆使して人を育て、活かし、専門職もお客様も共に元気になる介護」へと発展してきました。

この発展した介護現場の素晴らしさを1人でも多くの皆さまにお伝えできるよう、おばの死から更に精進したいと思いました。皆さんも様々な場面でご苦労が多いかと思いますが、「皆さんを必要とされ、生きる力となっている方がおられる」ことを忘れずに、日々の業務を遂行して頂きたいと思います。


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