医療や介護、福祉の現場で使う最新の機器、ソフトウェア、サービスなどが集う「国際モダンホスピタルショウ2016」が、有明の東京ビッグサイトで13日から15日の3日間にわたって開催された。会場には、「高齢社会を支える看護・介護ロボット」をテーマとした展示も用意された。
ここで注目を集めていたのは、株式会社アイザックが開発した電動車いす「Keipu」だ。一般的な機種と異なり、後方からまっすぐ乗り込む新しいスタイルを採用している。ベッドやトイレなどの座位から、そのままスライドするように移乗できる設計で、転倒のリスクや介護者の負担を大幅に減らせるという。来月からレンタルが始まる。
ベッドへの移乗動作
座面は上下の調節が可能。ベッドなどの高さと合わせられ、移乗の動作距離を最小限にとどめられる。速度は手元で選択(5段階)。操作は中央のレバーで本人が行う。「その場旋回」によって小回りがきくのも特徴だ。一般的な車いすと比べると、おおむね半分のスペースで向きを変えられるとPRしている。
「Keipu」(左)とその操作パネル(右)
アイザックの担当者は、「他のタイプより乗った時の目線が高い。利用者は開放感を感じられ、周囲とのコミュニケーションも多くなる」と説明。「必ずしも介助を伴わず、できるだけ自分の力で移乗できるモデルを提案した。移動の機会を増やし、自立の支援にもつながるはず」と話している。今後、ショッピングモールや展示会場などへの導入も考えているという。