2016年6月23日 強靭で活力あるサイバー空間 「国土交通省IT政策検討会」が報告書

国土交通省では、2020年までに検討を進化させるべき国土交通分野のIT施策とその進め方について検討を進めるとともに、これら施策を進めるに当たって不可欠となるサイバーセキュリティの確保のあり方について検討することを目的に、総合政策局長の私的懇談会である「国土交通省IT政策検討会」を開催し、同省でのIT施策をめぐる現状と課題を議論してきたところである。このほど、「2020年を目途としたIT施策の展開と強靭で活力あるサイバー空間の確立を目指して」を副題とした報告書を取りまとめた。

ITをめぐる動向と今後の見通しについて報告書では、ITの利活用について、ITをめぐる状況が刻々と変化する中、将来を予測することは困難であるが、2020年には、IoT機器が世界全体で250億個以上ネットワークサービスに活用されることが見込まれていることを指摘。

また、マクロ経済予測として、2025年までに、世界で年間計11.1兆ドルの経済波及効果が見込まれているなど、広範な分野にわたって影響を及ぼし得る可能性が残されているとの考えを示した。

また、サイバーセキュリティについては、IoTをはじめとするIT利活用の進化が進み、人々の生活に恩恵をもたらす一方、その利益を損なうような脅威も深刻化していることを指摘している。

その上で、こうした脅威に適確に対応するとともに、セキュリティ対策を、高付加価値を創出するための「投資」と捉え、積極的に対応することを求めている。

 

IT利活用に関する取組状況

ITの利活用に関する国交省での取組状況については、ETC2.0を活用した、道路を賢く使う取組、船舶の開発・建造から運航に至るすべてのフェーズで、ICTを取り入れ、造船業の生産性を50%向上させ、運航では省エネ・故障ゼロを目指す「i‐Shipping」を推進していることを記述している。

また、国が行う大規模な土工について、調査・測量、設計、施工・調査や維持管理・更新のあらゆるプロセスにICTを取り入れるなど「i‐Construction」の取組を推進、屋内地図、測位環境、ネットワークデータ等のオープン化等の推進により、歩行者移動支援を含めた多様なサービスが創出されるための環境づくりを図っていることも紹介している。

 

 今後の取り組み

今後の方向性については、オープンデータの推進とその利活用、サイバーセキュリティ対策の推進をあげている。

このうちオープンデータの推進とその利活用では、オープン化する情報の考え方を整理することや、効率的な社会資本整備、民間による新たなビジネス展開の促進等を提言している。

また、サイバーセキュリティ対策の推進については、国土交通所管事業での情報共有体制の構築、重要インフラにおける対策の徹底・深度化、重要インフラ以外の分野での対策、中小企業の底上げ対策の実施、人材育成の強化、独立行政法人に係る対策の強化を求めている。


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