小学生の平均睡眠時間は約9時間、中学生は約8時間―。公益財団法人博報堂教育財団のこども研究所が行った調査で、こうした子供たちの睡眠事情が明らかとなった。この調査は3月18日「睡眠の日」を前に、子供たちの睡眠状況や意識までを調べたもの。睡眠の重要性は理解しつつも、6割超が「もっと夜遅くまで起きていたい」と答えた。
調査によると、学校がある日の平均就寝時刻は小学生が午後9時46分で、中学生が10時46分。平均起床時刻は小中学生とも午前6時42分だった。
平日の平均睡眠時間は小学生が8時間56分、中学生が7時57分と、いずれも厚生労働省『健康のための睡眠ガイド2023』の推奨時間(小学生9‐12時間、中学生8‐10時間)をわずかに下回った。
夕食時間は小学生(午後6時45分)と中学生(6時51分)で大きな違いはなかった。
□理想の夜と過ごし方は「家族と話す」よりも「ゲームや動画などを楽しむ」
普段の夕食から寝るまでの時間の過ごし方は、小中学生ともに1位は「お風呂に入る・シャワーを浴びる」(小学生70.3%、中学生71.3%)だが、2位は小学生は「家族と話す」(63.7%)、中学生は「動画を見る」(71.0%)。3位は小学生「ゲームをする」、中学生は「家族と話す」だった。
一方、理想の夜の過ごし方、すなわち〝自由に過ごせるなら本当はやりたいこと〟は、小学生は「ゲームをする」がトップで65.7%が回答。2位は「動画を見る」(61.3%)、3位は「テレビ番組を見る」(38.3%)となった。中学生は57.0%の「動画を見る」が1位。以下、「ゲームをする」「スマホなどで友達とやりとりをする」が52.0%、44.3%と続いた。
「家族と話す」は、小中学生とも普段の過ごし方の上位3位以内に入っているが、理想の過ごし方の差分でみると、小学生で39.0ポイント、中学生で48.3ポイントも低下する結果となり、子どもにとって夕食後の時間は〝じぶん時間〟を楽しみたいと感じている様子がうかがえた。
男女比較では、「ゲームをする」は男子73.3%、女子46.0%で男子が多く、「SNSを見る」は男子22.3%、女子36.0%、「スマホ等で友達とやりとりをする」は男子40.0%、女子50.3%で女子が高い結果となった。
□小学生の3割、中学生の半数以上が布団のなかにスマホ持ち込む
寝る直前の布団のなかでの行動は、小学生は1位が「何もしないでぼーっとする」(29.0%)、2位「すぐ寝る」(25.7%)、3位「(一緒に寝ている)家族と話す」(18.3%)。中学生は25.3%の「動画を見る」がトップで、24.7%の「すぐに寝る」が2位、「何もしないでぼーっとする」「SNSを見る」が21.0%で同率3位という結果となった。
このなかでも、睡眠時間が平均より短い小中生が実施している行動としては、小・中学生いずれもトップは「動画を見る」。小学生16.4ポイント、中学生11.1ポイント全体よりも高かった。2位は小学生が「ゲームをする」、中学生「SNSを見る」、3位は小・中いずれも「音楽を聞く」。
小中学生とも睡眠時間が平均より短い層はスマホ等を布団のなかに持ち込んでいる割合が、睡眠時間が平均よりも長い層に比べて10ポイント以上高く、研究所では「こうした行動が睡眠時間に影響している可能性がありそう」と分析している。
□7割強が昼間に眠気感じる
学校がある日の朝から夕方までに「眠いと感じることがない」と答えたのは25.2%で、7割強の小中学生は学校がある日の日中、眠気を感じていることがわかった。特に睡眠時間が少ない中学生の9割近くは、日中に眠気を感じているという。