2023年12月13日 居宅介護支援、運営基準見直し固まる オンラインモニタリングが柱 パブコメ開始

厚生労働省は来年度の介護報酬改定で居宅介護支援の運営基準を大きく見直す。

4日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)でその内容を固めた。同日夜、広く国民から意見を募るパブリックコメントも開始した。

目玉は2つ。基本報酬の逓減制の更なる緩和とオンラインモニタリングの解禁だ。

より効率的な体制の構築、ケアマネジャーの業務負担の軽減などが目的。人材不足の顕在化、今後の厳しい見通しが判断のベースにある。事業所の経営状況の改善、ケアマネの賃上げにつなげる狙いもある。サービスの質の維持・向上が付随する課題。ICTやAIなどを駆使した生産性向上が成否のカギを握る。

逓減制の更なる緩和の具体策は次の通り。厚労省はこれに合わせる形で、事業所ごとに必要なケアマネジャーの配置人数の基準も改める。

《 逓減制の更なる緩和 》

居宅介護支援費(Ⅰ)=現行は40件から基本報酬が減算されるが、これを45件からの減算とする。

居宅介護支援費(Ⅱ)=現行は45件から基本報酬が減算されるが、国のケアプランデータ連携システムの活用などを新たに要件として加えたうえで、50件からの減算とする。

要支援者の担当件数の算出方法=現行は利用者数に2分の1を乗じる決まりだが、これを3分の1に変更する。

 

オンラインモニタリングの解禁は、以下の要件の下で認められる。少なくとも2ヵ月に1回は利用者宅を訪問すること、他のサービス事業所と連携することなどが重要なポイントだ。

《 オンラインモニタリングの実施要件 》

(1)利用者の同意を得ること。

(2)サービス担当者会議などで主治医、サービス事業者らから以下の合意が得られていること。

◯ 主治医の所見も踏まえ、頻繁なケアプランの変更が想定されないなど、利用者の状態が安定していること。

◯ 家族らのサポートがある場合も含め、利用者がテレビ電話などを介して意思表示できること。

◯ テレビ電話などを活用したモニタリングでは収集できない情報について、他のサービス事業者との連携により収集すること(*)。

* 情報連携シートなど一定の様式を用いた仕組みを想定。

(3)居宅介護支援は少なくとも2ヵ月に1回、介護予防支援は少なくとも6ヵ月に1回は利用者の居宅を訪問すること。

 

厚労省はパブリックコメントの手続き後、こうした内容を正式に決める方針。より詳細な規定は、介護報酬改定の前に通知などで明らかにする考えだ。

 


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