東京都の小池百合子知事は10日、受動喫煙対策の一環として、飲食店や公共施設といった屋内での喫煙を禁止する独自の条例を設ける考えを、BSフジのテレビ番組で明らかにした。
小池知事は、受動喫煙対策の前提として「例えば、子供が煙を吸いたくないのに、そこにいさせられるとか、従業員も吸いたくないのに、それを吸わざるを得ないとか、そういった人から考えるべきで、30平方メートルかどうかという面積のアプローチではない」と持論を展開。さらに、「対策は分煙では不十分で屋内禁煙が原則になる」とし、中身については、「基本的に厚生労働省が示している案に近い」と述べた。
ただ一方で、全面禁煙となる医療機関であっても、終末期に喫煙したい患者など、医師の許可を前提に一部の例外を認める考えがあってもいいのではないかと指摘した。
スケジュール観としては、オリンピックやパラリンピックを見据えつつ対応を進めていきたいと発言。そのうえで、7月2日に投開票を迎える都議選において、自身が特別顧問を担う「都民ファーストの会」の公約に盛り込む考えも表明した。
■「国民的なコンセンサスを得ることが重要」
小池知事の発言を受け、塩崎厚労相は12日の閣議後記者会見で、「国民の健康を守るために、本来、与党、野党もあるいは国、都道府県のレベルに関係なく、広く多くの政治家がこの問題に理解を深めて、受動喫煙対策の徹底の必要性について議論が深まって、国民的なコンセンサスが得られることが大事だ」とコメント。東京オリンピック・パラリンピックを前に、全国の対策も徹底していくことが重要だと語った。
■ 日医は署名活動を実施
一方、日本医師会の羽鳥裕常任理事は10日の会見で、受動喫煙の防止対策を強化・実現するための署名活動を実施することを明らかにした。署名活動は全国民が対象。5月から6月にかけて、都道府県医師会や郡市区医師会を通じて会員に趣意書と署名用紙を配付し、医療機関の待合室などで依頼する考え。同常任理事は「国民の皆様に広く活動の趣旨を理解して頂き、1人でも多くの方に署名してもらいたい」として、協力を呼び掛けている。