経済産業省と環境省は、製造業者等が特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に基づき全国の指定引取場所で引き取った廃家電4品目の台数を公表しており、1日に令和3年度の状況を取りまとめた。それによると、令和3年度の引取台数は、廃家電4品目合計で約1526万台となり、全ての品目で昨年度に引き続き、法定基準を上回る再商品化率が達成されたことがわかった。
家電リサイクル法は、家庭用のエアコン、テレビ(ブラウン管式、液晶・プラズマ式)、冷蔵庫・冷凍庫及び洗濯機・衣類乾燥機(いわゆる「家電4品目」)を対象としている。廃家電4品目については、小売業者は排出者からの引取りと製造業者等への引渡しを行い、製造業者等(輸入業者を含む)が指定引取場所での引取りと家電リサイクルプラントでの再商品化等を行っている。
指定引取場所における引取りの状況についてみると、令和3年度、製造業者等が指定引取場所で引き取った廃家電4品目の合計は約1526万台となり、内訳は、エアコンが約354万台、ブラウン管式テレビが約79万台、液晶・プラズマ式テレビが約311万台、冷蔵庫・冷凍庫が約354万台、洗濯機・衣類乾燥機が約428万台となった。
廃家電4品目の合計約1526万台は前年度の1602万台を下回ったものの、引き続き高い水準を維持しており、地上デジタル放送への移行等に伴いブラウン管式テレビの引取台数が増加した平成23年度の約1680万台に迫る数字となっている。品目別では、液晶・プラズマ式テレビは前年度と比べて約3・8%増となった。
再商品化の状況についてみると、令和3年度、家電リサイクルプラントに搬入されて再商品化等が行われた廃家電4品目は約1544万台(前年度比約2・7%減)であった。指定引取場所で引き取った台数と家電リサイクルプラントで再商品化等が行われた台数に差があるのは、輸送等の事情により引取り時点とリサイクル処理の間に差があるため。
廃家電4品目の再商品化率は、エアコンで92%(法定基準80%)、ブラウン管式テレビで72%(同55%)、液晶・プラズマ式テレビで85%(同74%)、冷蔵庫・冷凍庫で80%(同70%)、洗濯機・衣類乾燥機で92%(同82%)となり、昨年度に引き続き、法定基準を上回る再商品化率が達成された。
また、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫や洗濯機には、環境に負荷を及ぼす可能性のあるフロン類が冷媒や断熱材として用いられているため、家電リサイクルプラントで回収されている。令和3年度におけるそれぞれの回収重量はエアコンの冷媒フロン類が約2380トン、冷蔵庫・冷凍庫の冷媒フロン類が約142トン、洗濯機・衣類乾燥機の冷媒フロン類が約40トン、冷蔵庫・冷凍庫の断熱材フロン類が約244トンとなっている。
家電4品目の製造業者等は、それぞれのウェブサイトで再商品化実績等を公表している。また、一般財団法人家電製品協会も、我が国全体のリサイクル実績等を取りまとめた資料をホームページに公表している。