昨年、15歳以上で普段家族を介護している人は653万4000人と、2016年から45万3000人減少していることが総務省の調査で分かった。同省は、介護施設で介護を受けている人の一時帰宅が、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて制限されたことが要因だとみている。
調査は昨年10月に実施。9万1000世帯に居住する10歳以上の約18万人を対象に行った。
介護している人を男女別でみると、男性が256万5000人、女性が396万9000人で、女性が全体の約6割を占めている。年齢別では、50歳~59歳が183万6000人で最多。60歳~69歳の175万1000人、70歳以上の160万1000人が続き、介護者全体の約半数が60歳以上だったことも判明した。人口に占める割合では、60歳~69歳の11.7%が最も高く、50歳~59歳の10.9%、70歳以上の6.3%の順となっている。
前回調査を行った2016年からの5年間での人数の増減をみると、70歳以上が23万3000人増加している以外、全年代で人数が減少していた。中でもとりわけ減少幅が大きかったのは60歳~69歳の32万人。さらに、40歳~49歳の17万3000人減、30歳~39歳の10万8000人減などが目立った一方、介護している人数が最も多い50歳~59歳は7万3000人減にとどまっている。
調査当日、実際に介護や看護にかけた平均時間では、男性が2時間26分、女性が2時間21分だった。過去20年の推移をみると、男性はおおむね横ばい、女性はおおむね減少傾向をたどっている。前回調査時の2016年には、初めて男性が女性の時間を上回ったが、今回も引き続きその傾向がみて取れた。