大学などで図書館を利用した〝ビブリオバトル〟が盛んに行われるようになっているが、近畿大学(大阪府東大阪市)は、10月5日夜から6日朝にかけて、アカデミックシアターの図書スペース「ビブリオシアター」で、学生たちが選んだ一押しの書籍を紹介し合う「夜の図書館~DONDENでビブリオバトル~」を昨年に引き続き開催する。
学生が夜通しお薦めの本を語り合うというユニークな〝お泊り企画〟。近大では「夜通し行うビブリオバトルに参加することで、学生の読解力、要約力、プレゼンテーション力、コミュニケーション力の向上を促す」と効用をアピールしている。
平成29年(2017年)4月にオープンしたアカデミックシアター内のビブリオシアターは、漫画約2万2千冊を含む約7万冊の書籍を近畿大独自の図書分類「近大INDEX」に基づいて配架した全く新しいコンセプトの図書スペース。
編集工学研究所所長の松岡正剛氏をスーパーバイザーに迎えて開設したもので、「アクト」と呼ばれる42室のガラス張りの小部屋を設置し、社会の諸問題を解決に導くために学生が議論などを行うプロジェクト空間として活用している。女性専用室を完備した24時間利用可能な自習室など、学生が主体的に学べる環境を整えている。
通常、夜間は閉館しているが、10月5日(金)夜9時45分から翌6日(土)朝8時まで、特別に夜を徹してのビブリオバトルを行うもので、学生はビブリオシアターの2階にある漫画・文庫・新書を中心としたエリア「DONDEN」(ドンデン)で本を探し、その本の魅力を参加者全員に発表する。
各自のプレゼンテーション後に全員でディスカッションを行い、一番読みたいと思った本に投票し、優勝者を決定する。
昨年の参加者からは「夜通し本と触れ合って、普段は手に取ることがなかった本に気づくことができた」といった感想があるなど、大好評だったという。時間をかけて1冊の本を読み込んで紹介することで、図書館や本の魅力を再発見することにも繋がる。
ちなみに、ビブリオシアターの2階にあるドンデンは、漫画を中心に新書・文庫によって構成された約4万冊の書籍がならぶ。松岡正剛氏が近大のために考えた近大INDEXによって配架され、漫画で創造力を触発し、新書や文庫への興味・関心を導く空間になっている。学生の関心が高い漫画から入って、知のつながりを感じ、知の奥へ向かうための「知のどんでん返し」が起こることを目指している。