2021年3月8日 学生の8割が「自主的に運動」 順天堂大が緊急事態宣言下の状況調査

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い昨年春に行われた緊急事態宣言期間中でも、学生の8割以上が自主的に運動を行っていたことが、順天堂大学のWeb調査でわかった。一方で、スマホやテレビを視聴する時間が著しく増加し、6時間と回答した学生の割合が前年と比べて約4倍となった。

 

□緊急事態宣言期間中であっても80%以上の学生が自主的に運動・スポーツを実施

昨年4月から5月にかけての緊急事態宣言期間中の運動・スポーツ実施状況については、学内外の施設を利用した運動部や同好会の活動が完全に禁止されていたが、84.3%(男性85.2%、女性83.0%)の学生が、自宅や自宅周辺の限られた環境の中で自主的に体を動かしていた。また、運動部や同好会では、施設を利用した活動が禁止されていたなかでも、27.5%(男性25.0%、女性31.1%)の学生は何かしらの方法を用いて組織としての活動を維持していた。回答から、インターネットを用いた通話アプリ(LINEやZOOM)を利用して学生同士の自宅をつなぎ、筋力トレーニングなどを行っていたことが明らかとなった。

 

□スポーツ活動が制限されたことで、食事量や栄養バランスを意識

緊急事態宣言期間前と期間中(4月から5月頃)での食習慣の変化については、食事量が増えたと回答した割合よりも減ったと回答した割合の方が多く、男性(29.0%)よりも女性(44.0%)で多くみられた。栄養バランスについては、悪化したと回答した割合(18.4%)よりも改善したと回答した割合(27.3%)の方が多かった。運動・スポーツ活動の制限によるエネルギー消費量の減少を考慮して、食事量や栄養バランスを意識していた学生が一定数いたことがうかがえる。

 

□ディスプレイ視聴時間が著しく増加。6時間以上と回答した学生の割合が昨年と比べて約4倍に

1日のテレビ・スマホ・パソコン・ゲーム等のディスプレイ視聴時間については、インターネットを利用した遠隔授業開始前の時期(4月から5月11日)は1日平均5.4時間、遠隔授業開始後の時期(5月12日から5月末)は授業外で1日平均4.1時間、授業内で1日平均3.6時間。前年度に行った調査では、6時間以上が9.5%、2時間以上6時間未満が82.4%、2時間未満は8.0%であったことを鑑みると、今回の調査ではディスプレイ視聴時間が著しく増加している。例えば、6時間以上の割合でみると、授業開始前の時期が40.3%であったことから、昨年度と比べて約4倍に増加した。

 

□運動・スポーツ活動の変化から、60%以上の学生が筋力と持久力の低下を実感

緊急事態宣言期間中の運動・スポーツ活動に関連した変化については、運動・トレーニングの量、強度、内容、環境、いずれについても減った、下がった、悪化したといった回答が60%以上にのぼった。体力の変化については、筋力や持久力の低下を実感している学生が60%以上いるのに対して、調整力や柔軟性については低下を実感している学生は過半数を下回った。したがって、緊急事態宣言期間中の運動・スポーツ活動の制限は、調整力や柔軟性よりも筋 力や持久力の低下に影響していた可能性がうかがえる。

 

□測定結果は例年並み。宣言期間中の自主的な運動の実施や解除後の活動で回復か

体格・体力測定を実施する10月までに、例年の1年生は入学直前の3月末に全員が寮生活を始め、大半が大学の運 動部や同好会等の活動に参加していた。一方、今年度は入寮を8月末としたことから、例年よりも5ヵ月程度、活動開始が遅れ、体力の低下が想定されたが、体格・体力測定の結果から、昨年度と今年度の体格・体力を比較しても、その差は必ずしも大きくないことがわかった。

理由として、緊急事態宣言期間中に筋力や持久力の低下を実感している学生が過半数を超えていたものの、80%以上の学生が自主的に運動・スポーツを実施していたことや、入寮以降に運動部や同好会等の活動に参加することを通して、体力を維持・回復させることができていたと考えられる。

また、体重の変化については、男女で異なる傾向を示した。男性では体重が昨年よりも増加したのに対して、女性では低下した。女性では、緊急事態宣言期間中に食事量を減らした学生が男性よりも多くいたことから、食事量の減量が体重の減少に影響を及ぼした可能性がある。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.