総務省がまとめた平成28年社会生活基本調査によると、夫と妻の家事関連時間について、6歳未満の子供を持つ世帯の妻は、過去20年間で家事時間が1時間1分減少する一方で、育児時間が1時間2分増加している。また、共働き世帯の妻の生活時間は、仕事等が横ばい、家事が減少する一方で、育児は過去20年間で37分増加している。
我が国に住んでいる10歳以上の人について、行動の種類別に週全体平均による1日の生活時間をみると、睡眠時間が7時間40分、仕事時間が3時間33分、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の時間が2時間15分などとなっている。
5年前と比べると、休養・くつろぎの時間は6分の増加と最も増加が大きくなっており、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の時間は12分の減少と最も減少が大きくなっている。また、身の回りの用事、通勤・通学、学業、趣味・娯楽の時間がそれぞれ3分の増加、家事時間が4分の減少などとなっている。
家事関連時間を男女別に23年と比べると、男性は44分で2分の増加、女性は3時間28分で7分の減少となっている。
過去20年間の家事関連時間の推移をみると、平成8年に比べ、男性は20分の増加、女性は6分の減少となっている。男女の差は2時間44分と26分縮小しているが、依然として差は大きい。
■ 60歳以上の介護者が40万人増加
15歳以上でふだん家族を介護している人(以下「介護者」)は698万7千人で、23年と比べ15万8千人の増加となっている。男女別にみると、男性が277万6千人、女性が421万1千人となり、女性が介護者全体の約6割を占めている。年齢階級別にみると、60歳以上で介護者数が41万人の増加となり、介護者全体の約5割を占めている。
介護者のうち、調査当日に実際に介護・看護を行った人の平均時間(行動者平均時間)は、介護・看護時間の把握を開始した平成3年以降、男性はおおむね横ばい、女性はおおむね減少傾向で推移し、28年は男性が2時間32分、女性が2時間28分と初めて男性が女性の行動者平均時間を上回った。
子供がいる世帯の夫と妻の家事関連時間をみると、妻は子供の成長に伴い、家事時間の増加、育児時間の減少など大きな変化がみられる。一方、夫は末子が6歳未満で育児時間が長くなっているが、末子が6歳以上になると育児時間が減少し、家事関連時間は短くなっている。
子供がいる世帯のうち、6歳未満の子供がいる世帯について、過去20年間の夫と妻の家事関連時間の内訳の推移をみると、平成8年に比べ、夫の家事時間は17分で12分増加、育児時間は49分で31分増加している。一方、妻の家事時間は3時間7分で1時間1分の減少、育児時間は3時間45分で1時間2分の増加となっている。
高齢者の生活時間についてみると、単身高齢者では、一人でいた時間が11時間18分と1日の大半を占めている。
スマートフォン・パソコンなどの使用状況について、使用時間が12時間以上の人は153万2千人で全体の2.3%となった。このうち20~24歳では7.1%が12時間以上使用している。