経済産業省は2月18日、大阪府のQUINTBRIDGEでモニター参加によるPHR(Personal Health Record)サービスの実証イベントを開催した。遠隔参加者も含め、サービス事業者とPHR事業者が総勢約100名参加し、大阪・関西万博でのユーザー体験提供・展示に向けて、PHRを活用したユースケースの体験実証を行うとともに、今回のユースケース創出の取組にかかる総括を行った。今後、開幕する大阪・関西万博に向けて、更なるユースケースの磨き上げを実施していく方針。
イベントの冒頭には、ユースケース創出から、情報連携基盤「PHR CYCLE」を介したサービス実装を経て、大阪・関西万博下記後のレガシーフェーズの検討までの事業(令和5年度 補正PHR社会実装加速化事業 情報連携基盤を介したPHRユースケースの創出に向けた課題・論点整理等調査実証事業)のこれまでの歩みと、大阪・関西万博に向けた今後の展開について、経産省から発表を行った。
今回体験実証を行ったユースケースは、2025年6月20日~7月1日に実施されるテーマウィーク「健康とウェルビーイングウィーク」と連動する形で、万博会場内のEXPOメッセ「WASSE」/FLE(フューチャーライフ・エクスペリエンス)会場での展示を行うほか、一部のユースケースでは万博会場内の他施設や、万博会場外の施設やデジタル上での体験提供を予定している。
また、PHR事業の未来に向けて、「PHRがもたらす、新時代のウェルネスライフ」を表現するキービジュアルを発表した。今後、キービジュアルは様々なコンテンツに展開し、大阪・関西万博への機運を醸成していく。
イベントでは、これまで事業で実施したユースケースの概要の他、大阪・関西万博で提供する体験の説明に加え、レガシーフェーズに向けた検討内容について各ユースケースの代表者による発表を行った。その後、モニターの方にユースケースを実際に体験いただく中で、情報連携基盤「PHR CYCLE」を介したサービス事業者とPHR事業者の連携により創出をされた、個々人に最適化されたPHRサービスの提供に係る実証を行った。
体験実証後にはユースケース毎にワークショップを実施し、今回の実証で検証したことを振り返り、大阪・関西万博での体験提供に向けたフローやサービス改善、今後の対応について整理した。
さらに、レガシーフェーズにおいて、各ユースケースやPHRサービス産業全体がさらに進化・拡大を続けるためには、どのような課題があり、それに対して必要となるアクションについて、サービス事業者PHR事業者がそれぞれの視点から議論を交わした。
最後に、以下のテーマについて、経産省と事業者とのオープンディスカッションを行った。
(1)PHRを加速化させる条件とは
より多くの事業者によるPHR事業が、社会に普及・浸透されるためにどのような環境整備・支援が必要か?
(2)ユースケースのさらなる発展・派生
本事業での生活領域(運動・睡眠・食事など)のユースケースを踏め、今後さらにPHRを活かせるサービスは?