2022年11月8日 大規模地震、8割以上が「不安」 日本財団が若者調査 実際影響は3割が経験

地震や台風など、わが国は多くの自然災害を経験しているが、日本財団が17歳から19歳までの若者を対象に行った調査によると、近い将来の発生が予測されている南海トラフ地震など巨大地震に対して、8割以上の若者が不安を感じていることが明らかとなった。一方で、東日本大震災や阪神淡路大震災など一部の災害以外の災害は、若者の記憶にあまり留まっていない現状も浮き彫りとなった。実際に自然災害による影響を受けた経験がある若者は3割程度だった。

 

13%が「ライフラインが12時間以上停止」

調査は今夏、インターネットを通して、全国の17歳から19歳の男女1000名を対象に実施した。

調査によると、自然災害を経験したことがあるのは約3割。経験した自然災害による影響としては「水・電気・水道・ガスなどのライフラインが12時間以上停止した」が13.5%で最も多い。自分または同居する家族が死傷したのは2.5%、自宅が全壊・半壊、火災、浸水などの被害を受けたのは2.8%となった。

地域別では、東京圏、名古屋圏、さらにその他地域では約3割が「自然災害による影響を受けた」と回答。大阪圏では約2割がなんらかの形で自然災害による影響を受けた影響がある人がみられた。

家族・親戚・友人・恋人といった身近な人から自然災害の体験・経験を聞いたことがあるかとの問いに対しては、約4割が「ある」と答えた。「自宅が全壊・半壊、火災、浸水などの被害を受けた」ことを聞いたのは12.0%。9.8%が「職場・学校等が全壊・半壊、火災、浸水などの被害を受けた」と回答。「水・電気・水道・ガスなどのライフラインが12時間以上停止した」は15.7%が「身近な人から聞いたことがある」とした。

 

北海道南西沖地震は「詳しく知っている」が4.3%

1990年から2022年7月までには▽北海道南西沖地震(1993年)、▽阪神・淡路大震災(1995年)、▽新潟中越地震(2004年)、▽新潟県中越沖地震(2007年)、▽岩手・宮城内陸地震(2008年)、▽東日本大震災(2011年)、▽熊本地震(2016年)、▽北海道胆振東部地震(2018年)などの地震が発生。

これらの震災の認知度を聞いたところ、東日本大震災などごく一部の地震を除き、過去に発生した大規模地震災害について「しらない」との回答が過半数を占めた。一方で、近年の地震については「知っている」との回答が多かった。

具体的には、東日本大震災が56.4%、阪神・淡路大震災が28.3%、熊本地震は25.6%の若者が「詳しく知っている」と答えたのに対し、新潟県中越地震は6.3%、新潟県中越沖地震、岩手・宮城内陸地震は各5.9%しか「詳しく知っている」と答えなかった。30年前に起きた北海道南西沖地震に至っては、若者が生まれる前なので仕方がないとの見方もあるが、「詳しく知っている」が4.3%しかなかった。

 

巨大地震、「非常に不安」が過半数

さらに、わが国では、今後数十年以内に南海トラフ巨大地震、首都直下地震などの大規模災害が発生する可能性が指摘されていることにも言及。今後の大規模地震の予測に関して若者の考えを聞いたところ、「非常に不安を感じる」と回答した人が、東京、名古屋、大阪の各圏、さらにその他の地域全体で過半数を占め、「少し不安を感じる」と合わせると8割以上にのぼった。


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