全国老人福祉施設協議会はこのたび、外国人材を受け入る際に注意すべき事柄や配慮が必要なポイントなどをまとめたパンフレットを公開した。新たに受け入れを検討している介護施設や事業所に活用を促している。会員は老施協の公式サイトから無料で閲覧が可能だ。
パンフレットは老施協の専門部会がまとめたもの。既に外国人材を活用している施設や事業所へのアンケート調査に基づき、「暮らし」「コミュニケーション」「仕事・学習」の3テーマに沿って、気付きや工夫を紹介している。成功例だけでなく、失敗や反省すべきケースも盛り込んだのが最大の特徴。これにより、先行して取り組んでいる施設や事業所のノウハウを取り入れやすい作りとした。見やすさなどビジュアルにも力を入れた結果、手に取りやすいデザインになっている。
テーマ別にみると、「暮らし」では住居やネット環境をはじめとする生活面の準備・サポートすべき点を掲載。さらに、「コミュニケーション」では言葉の問題や国家試験の対策などを、「仕事・学習」では入職時の留意点や職場での指導法といった事例を載せた。
技能実習や特定技能などの制度がスタートする中、老施協内でも外国人材の活用に取り組む施設や事業所が急増。それに伴い、会員から受け入れなどに関する問い合わせも増えてきたという。今回はそうした声に応えるため、国が新型コロナの入国規制を大幅に緩和し、入国者の増加が見込まれるタイミングの前にパンフレットを公開した。
作成を担った老施協・外国人介護人材対策部会の櫻井博規部会長は、「初めて外国人材を受ける現場では、専用の担当者が任命される。そうした人がストレスを抱えたり、文化の壁にぶつかったときに役立ててほしい」とコメント。今後はパンフレット以外にも、受け入れを手助けする情報やツールを定期的に提供していく構えを示している。