英会話教室を運営する(株)イーオン(本社:東京都新宿区)が、同社に在籍中の外国人教師460名を対象に、2016年の日本の世相を表わす英語単語について聞いた結果、「ポケモンGO」今年国内外で大きな話題となったことを背景に、『Go(行く)』が第1位となった。昨年の圏外からの大躍進。日本発のゲーム「ポケモン」が国内だけでなく、世界中を席巻している様子が、外国人教師にも強烈なインパクトを残したといえる。
また、携帯を片手に日本中を動き回る人々のようすから、『Motion(動き)』や、ポケモンGOの世界的な盛り上がりから流行や熱狂を意味する『Craze』も上位にランクインした。
北海道新幹線開通など受け『つながり・結束』が2位と3位に
調査結果をみると、『GO』に続いて第2位は『Connection』、3位には『Unity』が輝いた。どちらも〝つながり〟〝結束〟を意味する単語で、理由として、北海道新幹線開通とオバマ米国大統領の広島初訪問があげられるなど、まったく違う二つの事柄でありながらも、外国人教師にとって日本を取り巻く〝つながり〟が印象的な一年となった。
続いて3位には『Change(変化)』『Unity(一致(団結)、協働、結束)』の二つが同票で入った。昨年首位からのランクダウンとなったが、「米大統領選の影響により、近い将来、良い意味でも悪い意味でも日本の社会に変化が訪れる」「日本では天皇陛下が生前退位のお気持ちを表明されたり、アメリカではトランプ大統領が誕生するなど大きな変化が起こった年だから」ということが理由にみられた。
『Unity』は、北海道新幹線やオバマ大統領の広島訪問のほか、「熊本地震の際に日本中の人々が結束して、素早く熊本の支援のために動いたから。また、たとえ国が大きな災害にあっても、人々の力でまた立ち直れることがわかったから」を理由に投票したという。
5位は進行や進展を意味する『Progress』、6位は忍耐力や粘り強さを示す『Perseverance』。Progressは、ノーベル賞を受賞したオートファジー研究や、新たに発見された原子「ニホニウム」など科学技術の進歩につながる出来事が多かったことなどを理由にランクイン。
Preseveranceは地震や台風などがあったにも関わらず、じっと耐え忍ぶ日本人の姿から選出するとともに、福岡の道路陥没復旧の作業員の姿を見て、この言葉を選んだ外国人教師もいた。
「スキャンダル」にも数票
さらに、7位は回復力、立ち直る力を意味する『Resilience』、8位は期待意味する『Anticipation』と動きを意味する『Motion』、10位は女性を意味する『Woman』が入った。
このうちWomanは惜しくも敗れたものの連日新聞紙上やテレビニュースを飾ったヒラリー・クリントン氏や、小池百合子東京都知事による影響も大。このほか、特に週刊誌の活躍が目立った芸能人の数々のスキャンダルを背景に、『Shock(衝撃、驚き)』や『Scandal(醜聞、スキャンダル)』にも、それぞれ票が入った。
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イーオンによると、今回の調査であげられた英単語は290以上。このように多数の言葉があげられた理由として、同社では日本との文化の違いが表れた結果と分析。日本人の多くはこのような問いに対して、〝一般的な回答〟を想像するが、英語圏に暮らしてきた人々は、同じ意味合いの単語のなかでも、最も〝自分らしさ〟を表現できる単語を選ぶ傾向にあるという。