2017年4月17日 地域の実情に応じて創意工夫 ふるさと納税に係る返礼品の送付等で通知

総務省は、ふるさと納税に係る返礼品の送付について、有識者等からの意見を参考に改善策を取りまとめ、このほど地方公共団体に対して「ふるさと納税に係る返礼品の送付等について」を通知した。通知では、ふるさと納税の募集に関する基本的事項として、寄附を受ける地方団体は、返礼品の送付を強調してふるさと納税を募集することを慎む一方、ふるさと納税の使途について、地域の実情に応じて創意工夫を図り、あらかじめ十分な周知を行って募集するとともに、寄附金を充当する事業の成果等について、公表や寄附者に対する報告を行うなどその目的等が明確に伝わるよう努めることを掲げている。

返礼品のあり方では、ふるさと納税について、寄附金が経済的利益の無償の供与であること、通常の寄附金控除に加えて特例控除が適用される制度であることを踏まえ、各地方団体がふるさと納税に係る周知、募集等の事務を行う際には、以下のように取り扱うこととしている。

返礼品の価格等の表示については、「返礼品の価格」や「返礼品の価格の割合」(寄付額の何%相当など)の表示など、返礼品の送付が対価の提供との誤解を招きかねないような表示で寄附を募集する行為を行わないようにすることとした。

プリペイドカード、商品券、電子マネー・ポイント・マイル、通信料金等金銭類似性の高いもの、電機・電子機器、家具、貴金属、宝飾品等資産性の高いもの、価格が高額のもの、寄附額に対する返礼品の調達価格の割合(以下「返礼割合」)の高いもののような、ふるさと納税の趣旨に反するような返礼品は換金の困難性、転売防止策の程度、地域への経済効果等の如何にかかわらず、送付しないようにするよう求めた。

また、返礼割合に関しては、社会通念に照らし良識の範囲内のものとし、少なくとも、返礼品として3割を超える返礼割合のものを送付している地方団体では、速やかに3割以下とすることとしている。

さらに、ふるさと納税の趣旨を踏まえ、各地方団体は、当該地方団体の住民に返礼品を送付しないようにするよう求めた。

一時所得については、ふるさと納税に係る寄附金控除の適用が、地方団体に対する寄附金額の全額(2000円を除く)で行われるのは、その寄附が経済的利益の無償の供与として行われており、返礼品の送付がある場合でも、それが寄附の対価としてではなく別途の行為として行われているという事実関係であることが前提となっているものであるが、その場合でも、返礼品を送付する団体は、当該返礼品を受け取った場合の経済的利益は一時所得に該当する者であることを返礼品の送付の際などに、寄附者に対して周知することとした。

ふるさと納税の募集、周知等の事務に要する経費については、これらの経費の支出に当たっては、前記返礼品のあり方に関する各事項に沿って対応するとともに、公益上の必要性等を十分精査するよう求めた。

個人情報の管理については、寄附を受けた地方団体では、ふるさと納税に係る申告特例通知書で、本人のマイナンバーが正しく記載されていることを複層的に確認するなどマイナンバーの適切な取扱いを含め、寄附者の個人情報を厳格に管理するよう求めている。


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