総務省は、日独両国間の情報通信分野における政策面での相互理解を深め、両国間の連携・協力を推進するため、このほど、東京でドイツ連邦共和国・連邦経済エネルギー省との間で、次官級での日独ICT政策対話(第4回)を実施した。また、日独ICT政策対話の開催にあわせ、ICT分野における重要課題について官民で自由な意見交換を行う場として、2回目となる官民会合を開催した。
政策対話での主な成果として、日独両国における政策動向を踏まえ、国際協力の事項について、日本側から、「信頼性のある自由なデータ流通(データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト)」と大阪トラックの状況について、昨年6月に日本で開催されたG20と昨年11月に独国で開催されたインターネットガバナンスフォーラム(IGF)の結果を踏まえて説明。独側からは、IGFの成果と国連ハイレベルパネル報告の独国や欧州でのAIの最新の取組につて説明が行われ、引き続き、G7、G20、IGF等の国際的な枠組の中で連携を進めていくこととした。
AI/IoTについては、日独双方から、製造分野でのワイヤレス通信をベースとしたAI/IoT活用に関する日独共同研究の開始及び進捗状況について説明があり、引き続き、協力して進めていくこととした。
また、日本側から、G7、G20、OECDにおけるAI原則の議論やAI利活用ガイドラインやデータの価値計測・流通促進に向けた新たな検討について説明。独側からは、独国や欧州でのAIの最新の取組について説明が行われた。引き続き、OECD等の国際的な議論の場で連携を進めていくこととしている。
政策及び規制の見直しについては、日本側から、電気通信事業でのプライバシー保護とフェイクニュースや偽情報に対する取組を説明し、独側からはフェイクニュースやヘイトスピーチに対する取組をはじめとするプラットフォームをめぐる動向などの説明が行われた。引き続き、日独間で取組状況を共有していくこととした。
官民会合の主な成果
官民会合では、日独双方の政策動向や実際のビジネスの場での課題等を踏まえ、日本側からSociety5.0の実現に向けた個人データ保護と活用の在り方及びインターネットガバナンスの現状と課題について説明し、独側からはGAIA―Xプロジェクトについて説明が行われ、特にGAIA―Xプロジェクトについて活発な議論が行われた。
また、新たな技術について、日独双方より、自動運転やAIの利活用における取組や課題について意見交換が行われ、日独双方の産業界から、実利用に向けて具体的なユースケースについて検討を深めていくことが重要との言及があった。
さらに、日本側から、IoT機器のセキュリティ対策とSociety5.0に向けた産業界のサイバーセキュリティ強化の取組を説明し、独側からからは、サイバーセキュリティは経営上の課題であるとの認識に同意するとの言及があった。