内閣府がまとめた「国立公園に関する世論調査」の結果によると、国立公園に対する関心について、8割を超える者が「行きたい」と回答した。また、国立公園が果たす役割として、「自然に親しみ理解し学ぶ場」が67.5%と最も多かった。国立公園の魅力を向上させるためには、どのような取組が必要だと思うか聞いたところ、「国立公園と、温泉や食材を中心にした地域の観光イベントとの連携事業を増やす」が半数を超えている。
この調査は、国立公園に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とするため、全国の18歳以上の日本国籍を有する者300人を対象に、7月18日~8月25日に調査を実施したもの。有効回収数は1750人(有効回収率58.3%)。
国立公園等に関する関心について、日本にある自然や文化に親しむ枠組みとして、知っている枠組みがあるか聞いたところ、国立公園が77.7%、史跡・名勝・天然記念物が63.0%、世界文化遺産が60.3%、世界自然遺産が58.9%となっている。
日本にある自然や文化に親しむ枠組みのうち、行ってみたいところはどこか聞いたところ、世界自然遺産が62.1%、世界文化遺産が54.9%、史跡・名勝・天然記念物が52.6%、国立公園が51.9%と半数を超えている。
国立公園に行きたいと思うか聞いたところ、「行きたい」(「行きたい」と「どちらかといえば行きたい」の合計)が85.3%、「行きたくない」(「どちらかといえば行きたくない」と「行きたくない」の合計)は12.5%であった。
「行きたい」、「どちらかといえば行きたい」と答えた者にどのようなことをしたいか聞いたところ、「自然の風景や絶景スポットを楽しむ」が88.1%、「寺社、史跡、美術館、博物館など文化的な観光名所を訪れる」が62.6%、「温泉を楽しむ」が61.7%、「地域の食材を使った食事や名物料理を楽しむ」が52.6%と半数を超えている。
国立公園での過ごし方については、「日帰りで、短時間の滞在としたい」が19.9%、「国立公園内や国立公園近辺で1泊して、楽しみたい」が37.6%、「国立公園内や国立公園近辺で連泊して、楽しみたい」が9.4%、「近隣の観光名所も訪れつつ2泊以上して、周遊観光したい」が21.4%、「宿泊はしたいが、あまり移動や観光はせず、滞在先でのんびりと過ごしたい」が8.4%となっている。
国立公園にどのような役割を期待するか聞いたところ、多い順に「自然に親しみ理解し学ぶ場」が67.5%、「国や地域を代表する優れた自然を後世に残す場」が57.4%、「日常生活から離れ、休息する場」が52.7%、「日本を代表する風景地として世界に誇るべき場」が47.9%、「野生生物の生息地」が44.3%となっている。
国立公園に行くときに欲しい情報では、自然の美しい景色が見られる場所についての情報が75.4%、国立公園までの交通に関する情報が55.1%、宿泊施設や休憩所に関する情報が49.4%となっている。
国立公園の魅力を向上させるためには、どのような取組が必要だと思うか聞いたところ、「国立公園と、温泉や食材を中心にした地域の観光イベントとの連携事業を増やす」が52.9%と半数を超え、以下「登山道やトイレ、キャンプ場、展望台などの施設を整備する」が46.9%、「国立公園を中心に地域の文化財・歴史にふれあえるツアーを増やす」が38.4%、「自然体験ツアーや自然観察会などの利用プログラムを充実させる」が38.1%となっている。