過疎地域等における集落対策のあり方について検討していた総務省の過疎問題懇談会(座長:宮口侗廸早稲田大学教育・総合科学学術院教授)はこのほど、「過疎地域等における集落対策のあり方についての提言~多彩な豊かさに満ちた集落の暮らしを創り支えるために~」を取りまとめた。提言では、これからの集落対策で大切な視点として、市町村は地域の実情把握を行い、過疎地域の将来像を示すこと、集落支援員は住民の当事者意識を顕在化すること、都道府県は地域を見つめ、現場と政策のコーディネートを行うこと、国は省庁横断での実践的な過疎対策の検討を行うことをあげている。
過疎地域の集落について提言では、一層の小規模化、高齢化が進んでいることを指摘している。一方で、2010年頃から「田園回帰」とも呼ぶべき潮流が過疎地域に生まれており、過疎地域の集落の4割、山間地や行き止まりにある集落にも約3割の転入者があるとしている。
集落ネットワーク圏及び集落支援員制度等について、集落の住民が集落の課題を自らの課題ととらえ、市町村が十分な目配りをした上で施策を実施することが重要とした。その一方で、集落の将来を考える上で重要な情報を市町村が十分に把握していないケースも多いことを指摘している。
また、集落の暮らしを支えるため、その枠組みを超え、広域的に支え合う地域運営の仕組みを作る「集落ネットワーク圏」を形成し、集落課題に対応することが有効としている。
さらに、地域力を向上させるためには、社会資本整備に加え、地域活動や暮らしを支える仕組みづくりに対する支援が重要との考えを示した。
これからの集落対策で大切な視点として、市町村は、地域の実態把握を行い、集落対策の方針を示すことが必要であり、把握した集落の課題への対応する施策の方向性を検討するよう求めている。
また、過疎債ソフト分について、地域から流れ出ていきがちな「フロー」型ではなく、地域力の向上につながるような「ストック型」事業への活用を提言している。
集落支援員は、行政と連携し、「集落点検」、集落の「話し合い」の促進を着実に行い、その結果を行政と共有することが必要とした。
また、地域運営組織の事務局機能を担う中核的な人材となるなど、集落の暮らしを支える事業やサービスの担い手となること、移住者を地域に受け入れる仲介役になることも期待するとしている。
都道府県の役割としては、国の制度と市町村の現場を総合的にコーディネートすることをあげた。また、先進事例等の紹介、活用可能な制度の情報提供、県域で集落支援員等の人材を集めた情報交換会の開催等、市町村の集落対策に係る活動支援をすることも求めている。
国の役割としては、地域の実情に応じて活用できる支援メニューを用意し、好事例の横展開に努め、市町村更には地域のために実践的な制度になるよう間断なく検討することをあげた。
また、人口減少社会における今後の実効的な過疎対策の方策については、過疎地域自立促進特別措置法の期限(平成33年3月)も見据え、関係省庁が連携した上で、検討することとしている。