経済産業省は15日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が立ち上げたグリーンイノベーション基金の一環で実施する「スマートモビリティ社会の構築」プロジェクト(スマモビプロジェクト)において、参加事業者による商用電動車両を用いた実証が各地で指導していることを発表した。今後各事業者が導入した商用電動車から取得したデータを用いて、運行管理と一体的なエネルギーマネジメントシステムを検討するとともに、それを支えるシミュレーション技術の研究開発・実証を実施する。
このプロジェクトは「社会全体最適を目指したシミュレーションシステム」の構築を目的とするもの。シミュレーションシステムの構築のためには、車両・走行データやインフラ等データ、地図情報、気象・道路環境情報等が必要になる。採択事業者では商用電動車の導入が本格化しており、今後データの収集・提供が進む見込みである。
採択事業者の直近の具体的な動き
1.ヤマト運輸株式会社が約900台の電気(FV)小型トラック「eCanter」新型モデルを2023年9月から全国に順次導入
ヤマト運輸株式会社は群馬県でEV導入・運用・エネルギーマネジメントに向けた実証などを行っている。2030年までにEV2万台の導入目標を掲げているなかで、グリーンイノベーション基金も一部活用しつつ、EV小型トラック「eCanter」新型モデルを約900台、全国で順次導入していくと発表した。
2.佐川急便株式会社が燃料電離(FC)小型トラック及び、EV小型トラックを11月から順次導入
佐川急便株式会社はかねてより、福島県と東京都での電動車普及に向けたエネルギーマネジメントシステムの構築・社会実装に参画しており、その取組の一環として、グリーンイノベーション基金も活用しつつ車両導入及び充電・水素充てんタイミングと配送計画の最適化を進める。