2022年10月31日 受贈率は住宅購入者全体の14.2% 不動産流通業に関する消費者動向調査結果

一般社団法人不動産流通経営協会がまとめた第27回(2022年度)不動産流通業に関する消費者動向調査結果によると、「親からの贈与」を受けた者の平均額は、新築住宅購入者が998.2万円と前年度より若干減少し、既存住宅購入者が662.2万円と若干増加している。「親からの贈与」を受けた世帯の割合(受贈率)は住宅購入者全体の14.2%であり、世帯主の年齢別にみると、30代の購入者で、親から贈与を受けた割合が20%超となった。また、親からの贈与額が「1000万円超」だった割合は全体で35.5%となっている。

調査は、居住用不動産の取得行動、種々のサービス等の両実態・評価を時系列把握することで、不動産流通に対する消費者の行動を捉えることを目的に、1991年から隔年で、2001年からは毎年実施しているもの。

調査対象は、首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で令和3年4月1日から4年3月31日の間に、購入した住宅の引渡しを受けた世帯を対象とした。発送数は3602票、回答数は1311票であり、回答率は36.4%となっている。

住宅購入者に占める「直系尊属の住宅取得資金に係る贈与税の非課税制度」の利用者の割合は12.1%で、30~39歳が最も高く18.9%を占めている。

従前住宅を売却した世帯のうち、購入者と売却額の回答があった214世帯について売却差額を整理すると、マイナスの売却差額が発生している世帯は35.0%(対前年度比18.7ポイント減)、プラスの売却差額が発生している世帯は58.4%(同20.9ポイント増)となっている。

売却住宅の取得年別にマイナスの売却差額の平均取得年が「1996~2000年」で1596.8万円、「1995年以前」は▲1951.3万円とマイナス幅が大きい状況となった。

既存住宅購入者における不動産会社等による住宅保証の利用状況をみると、住宅保証の利用率は56.2%となり、うち建物補償の利用は37.4%であった。建て方別に建物保証の利用状況をみると、既存戸建てでは建物保証を利用した購入者が52.0%、既存マンションでは31.2%となった。

既存住宅の購入に当たって何らかの建物検査をおこなった購入者は、既存住宅購入者の52.2%となっている。また、既存戸建て購入者が72.1%になっているほか、既存マンション購入者が43.4%となり、既存戸建て購入者に関しては6年連続で増加している。

重要事項説明に関して、既存戸建てでは説明時間が1時間半~2時間だと「やや長いと感じた」と「長いと感じた」の合計は39.0%、2時間以上で合計39.1%であった。また、既存マンションでは1時間半~2時間だと「やや長いと感じた」と「長いと感じた」の合計は39.2%、2時間以上で合計44.2%となっている。

住宅の購入に当たって、住まいや住まい周辺における自然災害のリスクについて考慮したかという点については、住宅購入者全体で91.2%が「考慮した」あるいは「やや考慮した」と回答した。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.