2023年8月30日 取り付け時の留意事項等示す 国交省 小型航空機用FDM導入ガイドラインを策定

国土交通省は、飛行中に記録した位置情報や映像等のデータを操縦の振り返り等に活用することにより、小型航空機の操縦士の技量向上等が期待される簡易型の飛行記録装置(FDM機器)について、小型航空機への導入の促進を図るため、FDM機器の取り付け時の留意点等を盛り込んだ「小型航空機用FDM導入ガイドライン」を策定した。

国交省航空局では、小型航空機の安全対策を強化するため、有識者や関係団体等から構成される「小型航空機等に係る安全推進委員会」を定期的に開催し、「新技術の活用」、「指導監督の強化」及び「安全情報の発信強化」の3本柱で対策の充実・強化を図っている。

これらのうち、「新技術の活用」の具体策の一つとして、飛行中に記録した位置情報や映像等のデータを操縦の振り返り等に活用することにより、小型航空機の操縦士の技量向上や事案発生時の原因究明等が期待される簡易型の飛行記録装置(FDM機器)の導入を促進することとしている。

こうした観点から、今般、航空局において、FDM機器の取り付け時の留意点や取得データに係る推奨事項等を盛り込んだガイドラインを策定した。

ガイドラインでは、搭載推奨機として、飛行記録の装備義務のない飛行機及び回転翌航空機をあげ、特に、官公庁の使用する航空機だって、救難救助等を任務とする回転翌航空機への搭載を強く推奨している。

また、危機の取り付け時の留意点として、操縦士の視線等を妨げず、万一外れた場合に操縦操作に影響を及ぼさないこと、啓基盤を移すこと(性能上、対気速度等を記録できるものを望奥。まあ、啓基盤に加え、窓外の水平線を移すことも推奨する)、GPS取得のため、必要に応じて窓の近くに取り付けること等をあげている。

取得データに係る推奨事項について、分析ツール等を活用する場合、分析ツール等に応じた型式とすることが望ましいとしている。また、分析ツールを活用しない場合には、以下のデータ形式を推奨する。

・飛行パラメータ ①位置(緯度・経度・GPS高度)、②針路又はYaw rate、③縦揺れ角又はPitch rate、④横揺れ角又はRoll rate、⑤対地速度、⑥3軸加速度(基軸方向、横方向、垂直方向)を記録できること

・映像データ 4Hz以上のフレームレート及びFull HD以上の解像度で記録可能なFDM機器とする

・音声データ マイク端子等によって音声入力が可能であり、かつ、エンジンの音等の環境音が取得できること 等

手続きについては、航空機の整備及び改造に該当する取り付けを行わない場合(=持ち込み品扱い)には、追加型式設計の承認または修理改造検査は不要とした。また、スマートフォンをFDM機器として使用できる場合もありとしている。

Bluetooth接続を行うなど電波を発信する場合は、電磁的合成試験を実施した評価結果を補完することとした。

航空局では、ガイドラインの周知を図り、FDM機器の導入を促進するなど、引き続き、小型航空機の安全対策の充実・強化を図っていく方針だ。


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