2021年11月11日 厚労省、インフル情報ページを開設 流行・ワクチン確保状況などが閲覧可能

厚生労働省は5日、この冬のインフルエンザの流行に備えるため、公式サイト内に関連情報を閲覧できる総合ページを開設した。現在の流行状況やワクチン・治療薬の確保状況といったデータが閲覧・確認できる。

サイトでは、全国5000ヵ所の定点医療機関から報告される発生状況を、毎週金曜日に更新。学校の休校やインフルエンザによる入院件数と合わせて情報を発信していく。インフルエンザの注意報や警報を地図上に示す「インフルエンザ流行レベルマップ」を示すほか、過去10年と今年の流行状況を比較するグラフ、発生状況の分析も適宜アップロードしていく見込みだ。

さらに、全国で接種が始まったインフルエンザワクチンや、治療薬の確保状況も公表。ワクチンは10月現在、成人で約5600万回分(約2818万本)と、一昨年以前の例年の使用量程度が供給される見込みが報告されている。また、抗インフルエンザウイルス薬は8月末現在で、約2952万人分を供給予定。内訳では、タミフルが約420万人分、リレンザが約216万人分、ラピアクタが約53万人分、イナビルが約1080万人分、ゾフルーザが約452万人分、オセルタミビルが約731万人分となっている。このほか、今シーズンのインフルエンザ抗原検出キットは、8月末現在で約1594万回分が供給予定だ。

サイトではあわせて、咳エチケットの推進や高齢者施設での感染防止策の徹底を呼び掛けている。加えて、感染予防啓発ツールのPDFでの提供や、Q&Aの作成・公表も実施。感染症・予防接種の相談窓口(03‐5276‐9337(午前9時~午後5時 ※土日祝日、年末年始を除く))も設置している。

昨シーズンはインフルエンザの流行がほぼ見られなかった。これは、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスの対策として手指衛生やマスクの着用、3密回避、国際的な人の移動の制限といった取り組みが、インフルエンザの感染予防についても効果的だったと考えられている。

では、今シーズンはどうだろう。日本感染症学会は9月に、北半球の流行の指標となりうる南半球の状況を紹介。オーストラリアでは患者数が少なかった一方、バングラディシュやインドなどアジアの亜熱帯地域では今夏の流行が確認されたという。こうした国々はワクチンの接種が普及しておらず、社会全体のインフルエンザに対する免疫が低かったことが要因と考えられている。

ただし、小流行を繰り返すことで、これらの地域でウイルスが保存され、今後国境を越えた人の移動が再開されれば、世界中へウイルスが拡散される懸念があると指摘。実際に英国政府は、今年のインフルエンザは早期に流行が始まり、例年の1.5倍流行する可能性があるとして、インフルエンザワクチン接種を呼び掛けているという。

こうした点を踏まえ同学会は、今シーズンのインフルエンザワクチンの積極的な接種を呼び掛け。コロナの影響で流行シーズンがずれる可能性があるものの、インフルエンザワクチンが使用可能となった場合は速やかに接種することが望ましいとしている。


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