2018年8月28日 医師の6割「熱中症患者は増えている」 医師専用コミュニティサイトが発表

医師専用のコミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアは7日、医師の約6割が臨床現場での熱中症患者が増えたと感じているという調査結果を発表した。

調査は今年の7月26日から8月1日にかけて実施。メドピア会員で熱中症患者を診ることが多い一般内科、在宅医療、総合診療、小児科、救急医療科、集中治療科の医師2062人を対象に行った。

「熱中症患者は増えていると感じるか?」の質問に対する回答では、「どちらかというと増えている」の642人(31.1%)が最も多く、「増えている」の604人(29.3%)がそれに続いた。2つの回答のコメントをみると、例年より増えている実感として「救急搬送の数が明らかに増えた」「毎日数人は来院する」「すでに何名か亡くなった」「マスコミの報道の影響もあって少し体調がすぐれないと熱中症ではないかと心配して受診する人が増えている」「年齢はまちまちだが、もともと風邪や胃腸炎、夏バテといった体調不良が背景にある人が多いのが特徴的」といった声があがっていた。熱中症患者の例では「エアコンを使用しない高齢者」「大工や農業など室外での肉体労働者」「部活動をしている学生」が多かったという。

そのほかの回答では、「例年通り」と答えた医師が428人(20.8%)。コメントでは、メディアによる注意喚起の影響か、「熱中症を疑う受診者は増えたものの、実際に熱中症だったケースは例年と大差がない」という声が多い。実際、「テレビを見て『心配なので点滴希望』という元気な人が増えた」という意見も聞かれた。一部からは、「人数は例年並みのように感じるが、高齢者や子供だけでなく体力のある若い男性の割合が増えた気がする」といった声もあがった。

逆に「どちらかといえば減っている」、「減っている」と答えた32人(1.6%)からは、「外出を控えたり水分をとったり、熱中症に気をつけている人が増えている気がする」、「マスコミの影響か、あまりにも暑すぎて用心して不要の外出を避けている人が多い気がする。例年の方がこの時期熱中症患者が多く感じた」といった声が寄せられた。開業医からは、「具合の悪い患者はとりあえず熱中症とするが、ほとんど救急車搬送なので、開業医レベルでは例年より減っている」という理由もあがっていた。

 

■ 医師の58.8% 「甲子園は条件付きで開催すべき」

さらにメドピアは同日、「全国高校野球は例年どおり開催すべきか?」という質問に対し、医師の6割が「条件付きで開催すべき」と回答した調査結果も明らかにした。こちらは7月31日に、会員の医師3000人を対象に行っている。

結果をみると、最も多かった回答は、「特別な熱中症対策などの条件付きで開催すべき」の1763人(58.8%)。具体的には、開催を止めるのは難しいかもしれないとしながら、「朝や夕方以降に開催時間をずらす」、「気温や湿度が一定以上になったら中止する」などの条件を付けるべきだという声が多く見られた。選手以上に、暑さになれていない観客の熱中症を心配する声も多かった。

「このまま例年通り開催すべき」と答えた519人(17.3%)からは、「練習で鍛え、地方大会を勝ち抜いてきた選手たちは暑さも乗り切れるだろう」という声や、「学校側が十分に注意さえすれば大丈夫だろう」「現状の対策で問題ない」という声が挙がった。

また、「開催すべきでない」と答えた478人(15.9%)からは、「あまりに気温が高すぎるので、もはや個々の対策で熱中症を防げるものではない。また観客やスタッフの方々も熱中症になる」や「酷暑の中、運動することの危険は極めて高く、死亡者が出てからでは遅い。大会中の注意だけでは普段の練習中に起こりうるリスクの低減にはならず、大会の開催自体を考え直す必要がある」、「選手、応援する生徒に暑い中行わせるのは、リスクが大きい。やるならドーム開催だと思う」といった意見があった。

 

「熱中症患者は増えていると感じるか」への回答


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