2017年1月20日 医師の注目1位は「新専門医制度」 2016年度の医療関連ニュースランキング

医師が2016年に最も注目したニュースは「新専門医制度」であることを12月26日に、国内の医師約10万人以上が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」が発表した。

調査は、インターネットを通じて11月30日から12月6日にかけて実施。サイトに登録している4378人の会員医師から有効な回答を得た。手法は、質問に当てはまる答えを、年初から11月までのトピックの中から選んでもらうというものだ。

それによると、「2016年、最も注目した医学・医療界のニュース(トピック)は?」と尋ねた際、最も多かった答えは、1083票を集めた「新専門医制度で混乱、2018年度に延期へ(年初)」だった。医療現場の混乱を心配する声や官僚を批判する意見などがあった。回答者からは、▽未だにどうなるのか決まっていないようで現場でいつから必要になるのか?取る必要があるのか?判断できなくて困ります。(50代、総合診療、勤務医)、▽今後の展開次第では、医療崩壊への最後の一撃になりかねません。若い先生方がかわいそうです。(50代、一般内科、開業医)、▽結局のところ、患者さんにとってのメリットなど考えていない、官僚の私利私欲のための変更としか思えません。(30代、代謝・内分泌科、勤務医)‐といった声が上がっている。

2位は1位と75票差の1008票を獲得した「オプジーボなど「高額薬剤問題」急浮上(2月)」。回答者からは、一連の問題を巡って、適切な薬価とは何かと疑問を持つ声が多くみられた。具体的には、▽一番気になった。個人的には薬価の決定方法について知るいい機会になったが、決め方には大いに問題があるとよくわかった。(30代、泌尿器科、勤務医)、▽やはり、医薬品の高騰が保険制度の維持に与える影響について現実を突きつけられた大きな事件だったと思います。(30代、整形外科・スポーツ医学、勤務医)、▽年間3500万円の薬ってなんでしょう?医療費削減のためにジェネリックに変更するのがバカバカしく思えてきました。(50代、一般内科、開業医)‐などとなっている。

また、3位は556票の「謎の中毒死、大口病院事件(9月)」。個別の回答をみると、▽善意に基づいて働いている医療に、このような悪意が入ると回避しようがない。対応は、点滴や薬品を鍵付きの部屋で管理し、監視カメラを付けるしかなく、仕事効率が非常に落ちた。(40代、在宅医療、勤務医)、▽犯人が今もどこかで虎視眈々と次の犯行を伺っていはしないか、また、模倣犯がでても犯行自体気づきにくいという点でインパクトがあった。(50代、一般内科、開業医)‐など、犯行の回避の難しさを訴える声が多かった。

そのほか、4位は「「オートファジー」大隅氏にノーベル賞(10月)」(499票)、5位は「いらない手術・クスリ週刊誌報道で混乱(8月)」(218票)となった。なお、回答者のうち勤務医は3622人、開業医は756人。それぞれの答えをみると、勤務医は1位から3位まで全体と同じだが、開業医は1位が「高額薬」、2位が「専門医」、3位が「オートファジー」という並びになっている。


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