2017年4月4日 化学産業論講座を新開設 日化協、神戸大と大阪市立大で人材育成

一般社団法人日本化学工業協会(石飛 修会長、日化協)は、「化学人材育成プログラム」の新たな取組みとして、2017年度に、企業の社員を大学に派遣して講義を行う化学産業論講座を神戸大学と大阪市立大学において開設する。

「化学人材育成プログラム」は、日本の化学産業における国際競争力の強化と産業振興の基盤となる若手人材の育成を目的に、大学院化学系専攻(博士後期課程)を産業界が支援するプログラムとして、2010年に日化協が創設した。

現在、産業界の人材ニーズに応えて先進的な取組みを行う専攻に対し、奨学金の給付や、企業と学生との相互交流、就職支援などを行っている。

日化協では、こうした取り組みを進める中で、学生が将来化学の分野で活躍し、社会に貢献することを目指す上で、化学産業に対して理解を深め、今何を考え、何を学ぶべきかを考えることを促す機会を早期に提供することが重要であると認識し、検討を重ねた結果、化学産業論講座を開設することになった。

この講座は、「学問としての化学がどのように産業と結びつき、社会に貢献してきたか」を主テーマに展開する。化学企業の第一線で活躍する社員が講師を務め、化学産業の過去・現在・未来についてソリューションプロバイダーとしての視点から解説するとともに、企業が現在注力しているテーマや、自らが感じる化学産業の魅力などについて伝える。

今回、新たに開設する神戸大の科目名は「産業を支える化学」。7回にわたるカリキュラムのうち、総論の講義テーマは「ソリューションプロバイダーとしての化学産業」「イノベーションから見た、日本の化学産業」「化学産業の未来」、各論の講義テーマは「フッ素系電解質膜の合成化学的研究」「ウレタン系材料の組成とその応用例」「生産技術視点からの価値の提供」「エポキシ樹脂と半導体レジストモノマーの分子設計」。

大阪市立大の科目名は、「化学産業論」。カリキュラムは、総論は神戸大と同じ。各論の講義テーマは「界面活性剤原料としての油脂アルコール」「半導体リソグラフィ材料の開発」「電池材料開発物語」「化学品製造プロセスの開発」。

ともに理学研究科、工学研究科の化学系修士課程学生を対象として開講するもので、担当企業は、三井化学、住友化学、三菱ケミカル、旭化成、三洋化成工業、カネカ、ダイセル、花王、JSR、宇部興産、日本触媒。

 

化学人材育成プログラムは26専攻に

日化協の化学人材育成プログラムでは、各専攻における優れた取組みのPRや学生の就職も含めたトータル支援を行っている。今年3月現在、北大総合化学院総合化学専攻、東北大工学研究科応用化学専攻・化学工学専攻・バイオ工学専攻、東北大理学研究科化学専攻、千葉大融合科学研究科情報科学専攻、東大工学系研究科応用化学専攻、化学システム工学専攻、化学生命工学専攻、東大理学系研究科化学専攻、東工大総合理工学研究科化学環境専攻、東工大理工学研究科応用化学専攻、化学工学専攻、物質科学専攻、早大先進理工学研究科応用化学専攻、農工大工学府応用化学専攻、横国大工学府機能発現工学専攻、北陸先端大マテリアルサイエンス研究科マテリアルサイエンス専攻、京大工学研究科合成・生物化学専攻、材料化学専攻、奈良先端大物質創成科学研究科物質創成科学専攻、大阪市立大理学研究科物質分子系専攻、阪大基礎工学研究科物質創成専攻、阪大工学研究科応用化学専攻、神戸大理学研究科化学専攻、九大工学府化学システム工学専攻、材料物性工学専攻、物質創造工学専攻の計26専攻となった。


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