2019年2月25日 利用者情報の適切な取扱い プラットフォームサービスで研究会が中間報告案

プラットフォーム事業者の利用者情報の適切な取扱いの確保の在り方等について検討を進めていた、総務省の研究会は15日、中間報告書案を取りまとめた。この中間報告書は、「電気通信事業分野における競争ルール等の包括的検証」の一環として、プラットフォームサービスでの利用者情報の適切な取扱いの確保の在り方等について、提案募集で寄せられた意見、ヒアリングでの意見やこれまでの会合での討議等に基づき、イノベーションの促進の観点と通信の秘密やプライバシー保護の観点から政策対応を検討する上で必要となる主要論点等の整理を行ったもの。

中間報告書案では、プラットフォームサービスに係る利用者情報の適切な取扱いの確保の在り方等の検討の際、プラットフォームサービスは新たなサービスの創出を促し、イノベーションを促進するための社会基盤として今後更に重要な役割を果たしていくと考えられることから、利用者情報以外の情報も含めた自由なデータ流通の確保を図ることにより、プラットフォーム機能によるユーザの便益の最適化が図られることなどを基本的視点として政策対応を図っていくことが必要とした。

各検討項目に係る政策対応上の主要論点と基本的方向性として、利用者情報のグローバルな流通の進展に対応するための規律の適用の在り方では、国外に拠点を置き、国内に電気通信設備を有さずにサービスを提供する国外のプラットフォーム事業者に対する規律の適用の在り方を論点とした。その上で、国外のプラットフォーム事業者が、我が国の利用者を対象として電気通信サービスと同様の、または類似したサービスを提供する場合も、電気通信事業法に定める通信の秘密の保護規定が適用されるよう、法整備を視野に入れた検討を行うとともに、併せてガイドラインの適用の在り方も整理することが適当とした。

電気通信サービス・機能とプラットフォームサービス・機能の連携・融合等の進展に対応するための規律の適用の在り方では、現行のガイドラインの適用対象や適切な取扱いの在り方の見直し、法律やガイドラインの適用関係の明確化などを論点として掲げた。その上で、ガイドラインの適用対象の見直しを進め、ガイドラインに定める規律をこれらのサービス・ビジネスに適用できるようにすることが適当とした。

プラットフォーム事業者による、規律に従った適切な取扱いを確保するための方策の在り方では、法律の執行を確実に担保するためにどのような方策が望ましいかかなどを論点とした上で、我が国の法律の執行をより確実に担保できるようにすることに検討の力点を置いて、eプライバシー規則(案)の議論の動向等も踏まえつつ検討を深めていくことが適当とした。

欧米におけるプライバシー保護法制を始めとする国際的なプライバシー保護の潮流との制度的調和に係る政策対応では、電気通信事業法における通信の秘密の保護規定の法目的や趣旨は維持しつつ、これら諸外国の動向を引き続きフォローし、電気通信分野における通信の秘密及びプライバシーの保護に係る規律についての国際的な調和(ハーモナイゼーション)を図っていくことが適当としている。


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