2021年7月29日 公園のトイレ、「汚い・臭い」84% 駅の便所も半数以上が「衛生面で使わない」

外出時に尿・便意を催した場所が、公園や駅のトイレは極力使いたくない―。日本財団が17歳から19歳の男女を対象に行った意識調査(18歳調査)で、こうした若者のトイレに対する考えが明らかとなった。和式と洋式では洋式を好む人が8割を占めた。衛生面を向上させるためにトイレ使用の有料化を求める若者は、わずか5%と1割に満たないという結果となった。

調査によると、外出した際に、デパートや映画館、コンビニ、飲食店、さらに駅や公園にある公共トイレを使うことがあるかとの問いに対して最も多かったのは、「たまにある」で44.8%。次いで「よくある」は25.7%、「ほとんどない」16.3%、「ない」13.2%という結果となった。

公共トイレの利用目的・理由としては、当然「小便・大便をする」が最も多く95.0%だが、「メイクを直す」18.2%、「手洗い・うがいをする」18.0%、「生理用品を交換する」16.7%が上位に挙がった。このほか「着替えをする」(7.5%)、「休憩する」(3.1%)、「歯を磨く」(1.0%)との回答も一部であったがみられた。

 

利用率最多はデパート等のトイレ

利用する公衆トイレの種類も聞いた。利用率が最も高いのはデパートや映画館など商業施設内のトイレで、57.1%が「利用する」と答えた。一方で、利用率が最も低いのは公園内や歩道にあるトイレで利用率は13.5%。このほか飲食店のトイレが利用率51.3%、駅のトイレ46.6%、コンビニ42.0%、高速道路のサービスエリアのトイレ27.6%、病院19.7%―の順となった。特に、公園内や歩道にあるトイレは、「全く利用しない」人の割合が45.9%と、他の回答を大幅に上回った。

公共トイレを利用しないと回答した若者に理由を聞いたところ、いずれも「汚いから」が最大の要因。この「汚い」との回答率を場所ごとに確認した結果、病院のトイレで12.0%、デパートや映画館16.1%、飲食店が17.0%であったのに対して、公園内や歩道のトイレは53.6%で、「汚い」とみている人の割合がずば抜けて高い。「臭いから使わない」(31.2%)と合わせると、84.8%が衛生面を理由に公園・歩道のトイレを使っていない現状が浮き彫りとなった。

駅のトイレも「汚いから使わない」が32.2%、さらに「臭いから」が15.4%で、こちらも衛生面を理由にトイレを使用しない者の割合が5割近くを占めることが明らかとなった。

また、和式と洋式トイレのどちらかを好んで利用するか聞いたところ、80.5%が洋式を使用すると回答。和式は6.7%、「こだわりはない」は12.8%という結果になった。

洋式トイレを好んで使う理由としては、「姿勢が楽だから」「和式だと姿勢がしんどい」など姿勢の楽さ、「トイレがしやすい」「和式は、用を足しづらい」など利便性を挙げる声が多かった。一方で、和式トイレを好んで使う理由としては、「間接的に触れたくないから」「人が座った便器に座りたくないから」など、衛生面を気にするがゆえの回答がほとんど。

 

管理は「自治体が行うべき」

衛生面で不評を買っている公園や道路のトイレの維持・管理に関しては、57.9%が「公園、道路を管理する自治体」がやるべきと回答し、4.8%が「地域のボランティア」、2.9%が「地域住民」と答えた。これらのトイレの維持・管理は現在自治体が行っている。

自治体がやるべきと答えた理由としては、公園や歩道の管理者なのだから責任を持つべきとの意見が多く寄せられている。また、「ボランティアだけでは管理できない」「住民では金銭的な負担が大きそう」「地域住民やボランティアだけでは管理できない」「住民では金銭的な負担が大きそう」など、ボランティアや住民では安定的な管理が難しいとの声が寄せられた。

公共トイレを綺麗に保つための工夫としては、「皆が利用する公共の財産であると意識し、利用者自身がきれいに使う」が最多回答の54.9%。次いで42.9%が「清掃回数を増やす」、39.3%が「汚したくないと思えるようなおしゃれなトイレにする」が上位にあがった。「有料にする」は5.0%に過ぎなかった。


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